気象学

気象観測における初冠雪の定義と仕組み

初冠雪とは、夏を過ぎて初めて山頂が雪化粧する気象現象です。気象庁による目視観測の仕組みや記録の取り消し条件について解説します。

📌 主なポイント

  • 初冠雪は、夏を過ぎて初めて山頂に雪が積もって白くなる現象である。
  • 気象庁では機械計測ではなく、麓の気象台などからの目視によって観測を行っている。
  • 雲などの理由で山頂が視認できない場合、実際の降雪日から発表までにタイムラグが生じることがある。
  • 初冠雪の発表後、最高気温が更新された場合には記録が取り消されることがある。

初冠雪(はつかんせつ)とは、1年のうちで雪に覆われる時期とそうでない時期がある山岳において、夏を過ぎて(その年の最高気温を観測した日を過ぎた後から)初めて山頂に雪が積もり、白くなる現象を指す。このような状態になることを「初冠雪を迎える」と表現する。

日本では、冬の訪れを推し量る季節観測の指標の一つとして用いられており、気象庁では気象現象として約80の山を対象に観測を行っている。ただし、山頂部に一時的に降雪があったとしても、積雪の状態にならなければ初冠雪とは認められない。また、観測された初冠雪がそのまま根雪になるとは限らない。

観測の仕組みと特徴

冬季の積雪深は通常積雪計を用いて機械的に計測されるが、初冠雪の観測手法は異なる。麓にある気象台や測候所から対象となる山の頂を遠望し、目視によって山頂が白くなっていることを確認する仕組みをとっている。そのため、時刻までは計測されず、発表は日単位で行われる。

この目視観測という特性上、以下のような特徴や条件が存在する。

  • 視界不良によるタイムラグ: 雲などによって山頂が目視できない場合、実際に山頂で積雪が生じていても麓から確認できず、後日になってから観測されることがある。
  • 記録の取り消し: いったん初冠雪として発表された後であっても、その後に気温が上昇して最高気温が更新された場合には、記録が取り消されることがある。

気象庁による観測の現状

気象庁では、全国各地の地方気象台などが特定の山岳を対象として初冠雪の観測を継続している。一方で、各地の測候所の統廃合や無人化に伴い、過去に観測を行っていた多くの山岳で観測が終了している。例えば、富士山においては、かつて複数の測候所(甲府地方気象台のほか、河口湖測候所や三島測候所など)から観測が行われていたが、測候所の統廃合や廃止を経て観測体制が変更されている。

よくある質問

初冠雪とはどのような状態を指しますか?
夏を過ぎてから初めて山頂に雪が積もり、白くなる現象を指します。ただし、積雪の状態にならない場合は初冠雪とは言いません。
初冠雪はどのように観測されますか?
機械による自動計測ではなく、麓にある気象台や測候所から山頂を目視で確認する方法で行われています。
一度発表された初冠雪の記録が取り消されることはありますか?
はい。初冠雪が発表された後であっても、その後に最高気温が更新された場合には記録が取り消されることがあります。

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参考文献

  • ウェザーニュース 「富士山がうっすら雪化粧!」 2018年9月28日閲覧
  • ウェザーニュース 「富士山で初冠雪 気象台からも発表」 2018年9月28日閲覧
  • 毎日新聞 「甲府地方気象台 富士山初冠雪と発表 昨年より27日早く」 2018年9月28日閲覧
  • 毎日新聞社 「富士山、9月7日の『初冠雪』取り消し 甲府地方気象台」 2021年9月22日