地理
早月川:富山県を流れる急流河川の概要

富山県を流れる二級河川、早月川の地理、歴史、生態系、および河川改修の歴史について解説します。剱岳を源流とする急流河川の特徴をまとめました。
📌 主なポイント
- ✓早月川は富山県を流れる二級河川で、剱岳を源流とする。
- ✓平均勾配が約8.3%と非常に急な河川である。
- ✓1962年に国営早月川合口事業が完成し、農業用水の安定供給が図られた。
- ✓水温が低く、河口付近でもイワナが生息する。
早月川(はやつきがわ)は、富山県を流れる二級河川であり、早月川水系の本流です。剱岳を源流とし、富山湾へと注ぐ急流河川として知られています。

地理
早月川は、富山県中新川郡上市町の南東に位置する剱岳を源流とします。白萩川と立山川が合流して早月川となり、北西へ流れて滑川市と魚津市の境界付近で日本海(富山湾)に注ぎます。平均勾配は約8.3%と非常に急な河川であり、富山県の「七大河川」の一つに数えられます。中流域には河岸段丘が発達しており、特に中村段丘などは岩石段丘として特徴的な地形を形成しています。







歴史
『万葉集』には、大伴家持が詠んだ「立山の雪し消らしも延槻の河のわたり瀬あぶみ漬かすも」という歌が収められており、古くからこの地で親しまれてきた河川であることが分かります。「延槻(はいつき)」という旧称は、ケヤキが繁る風景に由来するという説や、急流であるため海へ出るのが早い(ハヤツク)という音韻変化に由来するという説があります。
明治時代、オランダ人土木技師のローウェンホルスト・ムルデルが河川改修の調査を行った際、「これは川ではない、滝だ」と評したという記録が残されています。また、1953年から始まった国営早月川合口事業は1962年に完成し、農業用水の安定供給に寄与しました。
生態系
早月川は伏流水の影響で水温が低く、河口付近でもイワナが生息することが確認されています。本流は水量変動が激しく渇水も起こりやすい環境ですが、小早月川などの支流は水量が比較的安定しており、魚類の避難所として重要な役割を果たしています。
よくある質問
早月川の源流はどこですか?
富山県中新川郡上市町の南東に位置する剱岳です。
「これは川ではない、滝だ」という発言は誰によるものですか?
オランダ人土木技師のローウェンホルスト・ムルデルによるものです。かつては別の人物の発言とされていましたが、2020年にムルデルの発言であることが裏付けられました。
早月川の旧称は何ですか?
延槻川(はいつきがわ)や坪川川(つぼかわがわ)と呼ばれていました。
関連記事
剱岳富山湾河岸段丘常願寺川
参考文献
- 角川日本地名大辞典 16 富山県(角川書店、1979年)
- 『魚津の水循環 "水の恵み"を守り 育み 活かすために』(魚津市民生部環境安全課、2012年)
- 『とやまの河川』(建設省北陸地方建設局富山工事事務所ほか監修、1988年)
- 『北日本新聞』2020年8月16日付「常願寺川「これは川ではない、滝だ」デ・レイケ発言 実は別人 県に議事録 論争決着か」
- 魚津水族館「2010・2011年 早月川の魚類調査」