無機化合物

ヘキサフルオロケイ酸の性質と用途

ヘキサフルオロケイ酸の性質と用途
化学式H2SiF6で表される無機化合物、ヘキサフルオロケイ酸の化学的性質、合成方法、工業的用途について解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • 化学式は H2SiF6 で表される無機化合物である。
  • 常温で無色の液体であり、水溶液は強い二塩基酸としての性質を示す。
  • 鉛の電解精錬や金属の表面処理、陶磁器の硬化促進剤などの用途がある。

ヘキサフルオロケイ酸(ヘキサフルオロケイさん、英: hexafluorosilicic acid)は、化学式 H2SiF6 で表される無機化合物である。フルオロケイ酸、あるいはケイフッ化水素酸とも呼ばれる。

合成方法

ヘキサフルオロケイ酸は、二酸化ケイ素とフッ化水素酸との反応、あるいは四フッ化ケイ素と水との反応などによって得られる。フッ化水素酸によるガラスの腐食で発生する現象は、前者の化学反応によるものである。

二酸化ケイ素とフッ化水素酸の反応式
二酸化ケイ素とフッ化水素酸の反応によるヘキサフルオロケイ酸の生成
四フッ化ケイ素と水の反応式
四フッ化ケイ素と水の反応

化学的性質

ヘキサフルオロケイ酸の水溶液の外観
無色の液体であるヘキサフルオロケイ酸水溶液

常温では無色の液体であり、水と容易に混和し、一般には水溶液として扱われる。水溶液は強い二塩基酸であり、皮膚、気道、眼球だけでなく、ガラスや陶器、金属に対しても強い腐食性を示す。そのため、保管にはポリエチレンやフッ素樹脂製の容器が使用される。

経口摂取した場合の半数致死量(LD50)はラットの経口で430 mg/kgであり、蒸気の吸収によって肺水腫を引き起こす場合がある。不燃性であるが、加熱により分解し、フッ化水素のフュームを生じるほか、金属との反応によって水素を発生する性質がある。

NFPA 704の危険物表示ダイアモンド
NFPA 704によるハザード表示

用途

工業的には、鉛の電解精錬、金属の表面処理、陶磁器の硬化促進剤、繊維の媒染剤などに用いられている。また、アメリカ合衆国などにおいては水道水のフッ化物添加にも使用されている。

よくある質問

ヘキサフルオロケイ酸の化学式は何ですか?
化学式は H2SiF6 です。
ヘキサフルオロケイ酸の保管にはどのような容器が使われますか?
ガラスなどを腐食するため、ポリエチレンやフッ素樹脂製の容器が使用されます。
主な用途にはどのようなものがありますか?
鉛の電解精錬、金属の表面処理、陶磁器の硬化促進剤、繊維の媒染剤などに用いられています。

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参考文献

ケイフッ化水素酸-職場の安全サイト(厚生労働省) / 米国および世界のフッ化物応用の現状(トーマス・G・リーブス)