日本の高校受験制度の歴史と概要
📌 主なポイント
- ✓高校受験は、主に日本の後期中等教育機関や高等専門学校への入学を目指して行われる試験およびその受検過程を指す。
- ✓出願には中学校等の前期中等教育課程の修了(または修了見込み)が必要であり、原則として入学年度の4月1日時点で満15歳以上であることが求められる。
- ✓2022年の統計では、中学校卒業者の98.8%が高等学校や高等専門学校などの後期中等教育機関に進学している。
高校受験(こうこうじゅけん)とは、日本の後期中等教育を行う教育機関、主に高等学校や高等専門学校(高専)などへの入学を希望し、入学試験を受験することである。その試験自体は高校入試(こうこうにゅうし)と呼ばれる。
本項目では、特に断り書きがない限り、戦後の日本における後期中等教育の入学試験制度全般について記述する。なお、公立高校では入学者の選抜のための検査という位置づけから、「受験」ではなく「受検」と表記される場合もある。
入学資格と対象者
高等学校をはじめとする後期中等教育課程に入学するには、学校教育法に基づき、中学校、義務教育学校の後期課程、または中等教育学校の前期課程といった前期中等教育課程を修了している必要がある。
入学志願者の年齢は、入学年度の4月1日時点において満15歳以上となることが求められる。法制度上は年齢の上限は設定されていないものの、日本の学校制度においては年齢主義が強く働いており、実際の志願者の大半は中学校を卒業する見込みの現役生である。ただし、定時制や通信制、あるいは専修学校高等課程などにおいては、過年度生や成人を対象とした入試も一定数存在する。
戦後の歴史的変遷
第二次世界大戦後の学制改革により、旧制中学校や高等女学校の多くは新制の高等学校へと移行した。戦後直後は教室の不足や旧制名門校を復活させる動きなどから、入学試験による選抜が定着していった。
1950年代には「十五の春を泣かせない」というスローガンのもと、公立高校への全入運動や進学率の向上が全国で展開された。一方で1963年には文部省が「適格者主義」を通達し、教育課程を履修できる見込みのない者を入学させることは適切ではないとする方針が示された。
1960年代以降、都市部を中心に学校群制度や総合選抜が導入された地域では、公立高校の合格実績や入試難度に変化が生じ、結果として国私立高校の難化や中高一貫化への移行が加速した。また、1960年代半ばから学力偏差値が普及し、テスト業者や学習塾による進路指導が行われるようになったが、1993年には文部省が業者テストによる偏差値に過度に依存した指導を行わないよう通知を出している。
進学率の推移
現在では中学校卒業者の大部分が後期中等教育機関や高等専門学校へ進学している。2022年の統計では、中学校卒業者の98.8%が進学しており、高等学校は学力的に下位の生徒や不登校経験者などの受け皿としての役割も担う一方で、中退者の問題や定員割れにおける選抜のあり方など、多様な課題が存在している。
入試制度の仕組み
高校入試は、大きく一般入試と推薦入試(または特色選抜等の特別入学者選抜)に分けられる。公立高校では多くの自治体で単独選抜が採用されており、学力検査のほかに中学校からの調査書(内申書)が選抜資料として重視される。
私立高校の入試では、単願(専願)と併願の区分があり、第一志望者に対する優遇措置がとられることが多い。また、試験日程の変更や、進学校を中心とした5教科入試の導入など、時代や地域に応じた入試形態の変化が見られる。