高地(地形)の定義と地理学的概念
📌 主なポイント
- ✓高地は一般的に低地と対比される概念であり、高度の高低を基準とする。
- ✓地理調査所はかつて、起伏が少なく谷が発達した平坦な山地を「高地」と定義した。
- ✓熱帯高地は、山麓が熱帯気候に属する標高の高い地域を指す地理学的概念である。
高地(こうち、英: highland)は、地形学において標高の高い地域を指す用語ですが、その定義は文脈や学術的立場によって異なります。一般的には、低地(lowland)と対比される概念として用いられます。
地理学における定義
地形分類において、H.ボーリグは地形を低地、高地、そしてその中間の台地(upland)に分類する体系を提唱しました。しかし、高地という用語は本来、高度の高低のみを基準とする相対的な呼称であり、形態的な特徴を必ずしも特定するものではありません。そのため、自然地理学的な地域名称としては定義が曖昧になりやすいという指摘があります。
日本においては、1954年に地理調査所が「主要自然地域名称図」の中で、「起伏はさほど大きくないが、谷の発達が顕著であり、表面のおしなべて平坦な山地」を特に高地と呼ぶと定義しました。この定義では、山地と高原の中間的な形態を指し、人文的には居住の中心が谷底にある地域を指すとされています。しかし、この定義に対しては、過疎化やリゾート開発といった人文的・社会的な変化によって地形分類が左右されることへの疑問や、他地域への適用可能性に関する議論が存在します。
熱帯高地
地理学の分野では、熱帯高地(tropical highland)という概念が用いられます。これは、山麓部が熱帯気候に属する標高の高い地域を指します。アレクサンダー・フォン・フンボルトやカール・トロールらによって研究が進められました。熱帯高地における標高の基準については諸説ありますが、人間に対して高度反応が現れ始める標高2,500メートル以上を一つの目安とする見解もあります。
地理的呼称の課題
「高地」という用語は、スコットランドのハイランド地方(The Highlands)のように、国土を低地と二分する前提で用いられる場合など、地域固有の歴史的・社会的な背景を含むことがあります。地理教育や学術研究においては、自然地理的な論理と、人文的な地域区分を混同しないためのターミノロジイ(用語法)の整理が重要視されています。
よくある質問
高地と高原の違いは何ですか?
熱帯高地とはどのような場所ですか?
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参考文献
- 国土地理院「1.地形分類、2.自然地域の名称」『1.地形分類、2.自然地域の名称』5頁、2026年6月9日閲覧。
- 有井琢磨「義務教育における地形用語の研究」『新地理』第33巻第2号、日本地理教育学会、1985年9月25日、3-10頁。
- 米地文夫「「北上山地」の呼称に関するターミノロジイ : 地理教育における自然地理用語と自然地域名の問題(2)」『岩手大学教育学部研究年報』第53巻第1号、1993年10月29日、167-182頁。
- 山本紀夫、岩田修二、重田眞義「熱帯高地とは一人間の生活領域としての視点からー」『日本熱帯生態学会』第5巻第3+4号、1996年、135-150頁。