地理

菱田川:鹿児島県大隅地方を流れる二級河川

菱田川:鹿児島県大隅地方を流れる二級河川
鹿児島県の大隅地方を流れる二級河川、菱田川の概要、歴史的な開田事業、地理的特徴について解説します。

📌 主なポイント

  • 菱田川は鹿児島県内で川内川に次ぐ規模を持つ二級河川である。
  • 流域の大部分がシラス地帯であり、かつては水不足に悩まされていた。
  • 明治から昭和にかけて蓬原開田と野井倉開田という大規模な開田事業が行われた。

菱田川(ひしだがわ)は、鹿児島県の大隅半島中部を流れる二級河川です。川内川に次ぐ県内第二の規模を誇る河川として知られ、二級水系としては県内で最も長い流路延長と、天降川に次ぐ流域面積を有しています。霧島市福山町の荒磯岳西麓に源を発し、南東方向へ流れて志布志湾へと注ぎます。

菱田川の風景
菱田川の風景

地理的特徴

源流部はシラス台地である牧之原台地の一角に位置し、緩やかな流れで始まります。中流部から下流部にかけては、シラス地帯を深く削り取った深山幽谷の地形を形成しており、高低差のある景観が特徴です。流域には多くの石橋が残されており、地域の歴史的景観を構成しています。河口付近では高尾川と合流し、志布志湾に流入します。

地図
地図
地図
地図
城西橋より下流方
城西橋より下流方

歴史的な開田事業

菱田川流域はシラス土壌のため水利に乏しく、長らく農業生産が困難な地域でした。しかし、明治時代以降、蓬原(ふつはら)台地と野井倉台地において大規模な開田事業が実施されました。これらは「二大開田」と称され、地域の農業発展に大きく寄与しました。

蓬原開田は馬場藤吉らの尽力により、1918年(大正7年)に通水を実現しました。一方、野井倉開田は野井倉甚兵衛が中心となり、戦時中の混乱や飛行場建設による中断を経て、1953年(昭和28年)に完工しました。この事業は明治期からの構想から60年以上の歳月を要した難事業でした。

田尾橋より上流方
田尾橋より上流方、奥に見えるのは野井倉大橋
野久尾橋より上流方
野久尾橋より上流方
田尾橋より下流方
田尾橋より下流方

治水と現状

菱田川は比較的安定した河川ですが、1997年の台風19号などの豪雨時には浸水被害が発生した記録があります。これを受けて河口付近の堤防整備や排水樋門の改修が行われ、治水機能の強化が図られました。また、河口部では冬の風物詩としてシラスウナギ漁が行われており、地域資源としての側面も持っています。

よくある質問

菱田川の源流はどこですか?
霧島市福山町にある荒磯岳の西麓に源を発しています。
菱田川の流域面積はどれくらいですか?
流域面積は約394.4平方キロメートルです。
野井倉開田はいつ完工しましたか?
明治期からの構想を経て、1953年(昭和28年)に完工しました。

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志布志湾シラス台地霧島市志布志市

参考文献

  • 志布志市議会会議録 平成24年第1回定例会第4号
  • 鹿児島県 滝・川・渓谷(公式ウェブサイト)
  • 広報おおさき 2014年2月号・2008年6月号
  • 南日本新聞 さつま人国誌「野井倉甚兵衛と開田事業」