旧東京市の歴史的変遷と行政区画の歩み

📌 主なポイント
- ✓東京市は1889年(明治22年)5月1日に東京15区の区域をもって設立された。
- ✓1932年(昭和7年)の市域拡張により、東京35区体制が確立された。
- ✓1943年(昭和18年)7月1日の東京都制施行により東京市は廃止され、東京都となった。
東京市(とうきょうし)は、かつて日本に存在した東京府の市である。1889年(明治22年)の市制・町村制施行に伴い、東京府東部の15区を区域として設立された。
その後、昭和期に近隣町村を大規模に編入して市域を拡大したものの、第二次世界大戦中の1943年(昭和18年)に施行された東京都制により廃止され、東京府とともに統合されて東京都となった。旧東京市の区域は、現在の東京都区部(東京23区)にほぼ相当する。
前史と市制の成立
1878年(明治11年)11月2日、郡区町村編制法の施行により、東京府内において府税収入の多い地域を対象として旧幕時代の地称に基づいた15の区(麹町区、神田区、日本橋区、京橋区、芝区、麻布区、赤坂区、四谷区、牛込区、小石川区、本郷区、下谷区、浅草区、本所区、深川区)が設置された。これが「東京15区」である。
1889年(明治22年)5月1日、市制・町村制の施行により東京市が成立した。ただし、当時は「市制中東京市京都市大阪市二特例ヲ設クルノ件」(市制特例)が適用された変則的な自治形態であり、東京府知事および府書記官が市長を兼務し、独自の市役所や市職員は置かれなかった。一方で、下位自治体として各区が区会を保持していた。
一般市制への移行と市域の拡張
1898年(明治31年)10月1日、市制特例撤廃法が施行され、東京市に一般市制が導入された。これにより府知事の市長兼務が廃止され、東京府庁内に市役所が開設されて公選による市長が置かれるようになった。
大正時代に入ると人口の周辺部への拡大が進み、いわゆる「大東京」の概念が形成された。1932年(昭和7年)10月1日には、近隣の5郡60町22村を編入する大規模な市域拡張が実施され、従来の15区に新たな20区が加えられて「東京35区」体制が確立した。さらに1936年(昭和11年)には北多摩郡の砧村および千歳村が世田谷区へ編入され、現在の東京都区部の枠組みがほぼ固まった。
東京都制による廃止
日中戦争から太平洋戦争へと戦局が拡大する中、1943年(昭和18年)7月1日に内務省主導のもと東京都制が施行された。これにより東京府と東京市は廃止され、両者の機能を継承する「東京都」が設置された。
東京市が廃止されたことに伴い、旧東京市域の行政単位は東京都直轄の「区」へと移行した。戦後の1947年(昭和22年)には区の再編が行われ、地方自治法に基づく「特別区」となり、その後の練馬区の独立を経て現在の東京23区の体制へと引き継がれていった。
よくある質問
東京市はいつ設立されましたか?
東京市はどのようにして廃止されましたか?
旧東京市の区域は現在の何区に相当しますか?
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参考文献
- 東京市 『東京市史稿』
- 東京都 『東京都史』