物理学・単位
メートルの歴史的変遷と国際単位系における定義

国際単位系(SI)における長さの基本単位「メートル」の定義の変遷、歴史的背景、および各国における表記の違いについて解説する百科事典記事。
📌 主なポイント
- ✓メートルは国際単位系(SI)における長さの基本単位であり、記号は「m」である。
- ✓現在の定義は「1秒の299792458分の1の時間に光が真空中を伝わる長さ」である。
- ✓日本の計量法では「メートル」の表記が定められており、「メーター」は計器の名称として区別される。
メートル(仏: mètre, 英: metre, 米国: meter, 記号: m)は、国際単位系(SI)およびMKS単位系における長さの基本単位である。
現在の定義
現在のメートルは、1983年の第17回国際度量衡総会(CGPM)の決定およびその後の改定に基づき、「1秒の 299792458 分の1の時間に光が真空中を伝わる長さ」と定義されている。この定義により、真空中の光速は正確に 299792458 m/s と定められている。
歴史的背景
フランス革命期の1790年代、地球規模の交流が活発化する中で統一された長さの基準が求められるようになった。パリ科学学士院の議論を経て、北極点から赤道までの子午線弧長の 1/10000000 を基準とする案が選ばれ、子午線の測量が行われた。その後、技術の発展に伴って実体器である「国際メートル原器」へと基準が移行し、さらに現代では光の速さを基準とする物理定数に基づく定義へと進化している。
単位記号と表記法
メートルの国際的な単位記号は小文字・立体の「m」である。大文字の「M」は106を表すSI接頭語のメガを示すため誤りとなる。英語圏における綴りについては、国際機関やISO規格などでは「metre」が広く採用されている一方、アメリカ合衆国などでは1977年以降「meter」という綴りが公式に用いられている。
日本における法制と表記
日本国内の計量法においては、長さの単位として「メートル」の名称および記号「m」が定められている。口頭では「メーター」と呼ばれることもあるが、計量法上は計器類を指す語と区別される。また、明治時代から戦後にかけては「米」という漢字や「粁」「糎」などの当て字が用いられていたが、現在の取引や証明においては法定計量単位としての正式な表記が用いられている。
よくある質問
メートルの現在の定義は何ですか?
1秒の299792458分の1の時間に光が真空中を伝わる長さと定義されています。
メートルの単位記号は大文字で書いてもよいですか?
いいえ、大文字の「M」はメガ(100万)を表すSI接頭語になるため、小文字の「m」を用いる必要があります。
英語圏での綴りに違いはありますか?
国際機関や多くの英語圏では「metre」が用いられますが、アメリカ合衆国などでは「meter」という綴りが公式に採用されています。
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参考文献
国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版、産業技術総合研究所計量標準総合センター、2020年。計量法(平成4年法律第51号)。