教育機関としての学校制度の歴史と構造

📌 主なポイント
- ✓学校は、現代の国家社会における教育制度の中核を担う制度的機関である。
- ✓日本の学校教育法では、幼稚園から大学までのいわゆる「一条校」を学校と定義している。
- ✓紀元前3千年紀のシュメールには「エドゥブバ」と呼ばれる粘土板を用いた学校が存在していた。
- ✓近代的な学校制度の原則である義務・無償・中立性は、19世紀以降に次第に形成された。
学校とは、教師による幼児・児童・生徒・学生などに対する教育の制度において、中核的な役割を果たす機関やその施設を指します。社会的作用・社会的活動としての教育は個人や家庭、地域社会などにも見られますが、現代国家では法律を整備して公費を充てるなど、制度化された形態として学校が中心的な役割を担っています。

学校の定義と分類(日本)
日本の学校教育法では、学校を幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学および高等専門学校と定義しています。これらは一般に「一条校」と呼ばれています。
また、学校教育法に基づき、設置者によって大きく3つに分類されます。
- 国立学校:国の設置する学校
- 公立学校:地方公共団体の設立する学校
- 私立学校:学校法人の設置する学校
さらに、学校教育法第124条が定める専修学校や、第134条が定める各種学校も存在します。
学校の歴史的背景
学校の起源は非常に古く、メソポタミアの紀元前3千年紀のシュメールにはすでに「エドゥブバ(粘土板の家)」と呼ばれる学校が存在していました。ここでは役人になるための読み書きや計算が教えられていました。
ヨーロッパにおいては、古代ギリシアのギュムナシオンなどが知られるほか、中世にはボローニャ大学やパリ大学、オックスフォード大学といった大学が設立され、現在まで続く伝統の基礎となりました。大衆を対象とする近代的な学校制度は19世紀以降に発展し、義務・無償・中立性を原則として国民国家におけるアイデンティティ形成の装置として機能するようになりました。

日本の学校の歴史
日本においては、平安時代に貴族の子弟を対象とした「大学寮」が置かれました。また、空海が設立した「綜芸種智院」は、身分や貧富に関わらず学ぶことができる画期的な教育施設として知られています。
江戸時代に入ると、武士階層向けの藩校や、庶民の要求から生まれた寺子屋などが普及しました。明治初期になると、小学校および師範学校が設立され、近代的な学校制度の整備が進められました。
世界の学校年度
学校年度(学年暦)の区切り方は国や地域によって異なります。北半球の多くの国々では、農業の繁忙期との関係などの歴史的背景から、夏休みの終わる9月開始が主流となっています。一方、日本や韓国、オーストラリアなどではそれぞれ異なる開始月が採用されています。
| 開始月 | 主な国・地域 |
|---|---|
| 1月 | シンガポール、マレーシア、南アフリカ |
| 3月 | 韓国、アルゼンチン |
| 4月 | 日本、北朝鮮、インド |
| 9月 | 中国、ロシア、カナダ、ヨーロッパ各国 |
よくある質問
日本の法律における学校の定義は何ですか?
学校の歴史はいつ頃から始まりますか?
なぜ多くの欧米諸国では9月に新学年が始まるのですか?
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参考文献
小林登志子『シュメル 人類最古の文明』中央公論新社〈中公新書〉、2005年。
ニッセイ基礎研究所「日本の学校はなぜ4月に新しい学年がスタートするのか? 諸外国はどうか?」