環境政策

日本の公害対策の歴史と制度

日本の公害対策の歴史、法制度の変遷、および環境基本法に至るまでの政府の取り組みについて解説します。

📌 主なポイント

  • 1967年に公害対策基本法が制定され、公害問題への法的対応が本格化した。
  • 1970年の第64回国会は「公害国会」と呼ばれ、環境関連法案が集中審議された。
  • 1971年に環境庁が発足し、公害対策の行政組織が統合された。
  • 1993年の環境基本法施行に伴い、公害対策基本法は廃止された。

日本の公害対策は、高度経済成長期に深刻化した四大公害病をはじめとする環境問題への対応として発展してきました。当初は個別の公害事象に対する規制が中心でしたが、次第に包括的な環境保全政策へと移行しました。

公害対策の歴史的背景

1960年代、日本は急速な工業化に伴い、大気汚染、水質汚濁、騒音、振動などの公害問題が全国各地で顕在化しました。四日市ぜんそくや各地の水質汚濁問題を受け、政府は政策の見直しを迫られました。1966年には公害対策推進連絡会議が設置され、自動車の排気ガス規制などが検討され始めました。

法制度の変遷

1967年に公害対策基本法が制定され、翌1968年には大気汚染防止法が施行されました。1970年の第64回国会(通称:公害国会)では、公害対策閣僚会議が設置されるなど、国の体制が強化されました。1971年には、これらの取り組みを統合・発展させる形で環境庁(現在の環境省)が発足しました。

その後、1993年に環境基本法が制定されたことに伴い、公害対策基本法は廃止されました。これにより、従来の公害防止を主眼とした枠組みから、地球環境保全を含む包括的な環境政策へと転換が図られました。

地方自治体の役割

国による制度整備に先立ち、多くの地方自治体が独自の公害防止条例を制定し、地域の実情に応じた監視や規制を行ってきました。これらの条例は、後の環境基本条例の制定へとつながり、日本の環境行政において重要な役割を果たしました。

産業界の対応

自動車産業をはじめとする各分野では、排出ガス規制や騒音対策に対応するための技術開発が進められました。企業は公害対策を経営上の重要課題と位置づけ、プラント設備の改善や低公害車の開発などに取り組むようになりました。

よくある質問

公害対策基本法とは何ですか?
1967年に制定された、日本の公害対策の基本方針を定めた法律です。その後、1993年に環境基本法が制定されたことに伴い廃止されました。
公害国会とは何ですか?
1970年11月から12月にかけて開催された第64回国会の通称です。公害問題が深刻化する中で、公害対策関連法案が多数成立したことからこのように呼ばれます。
環境省はいつ発足しましたか?
1971年7月1日に、公害対策本部を発展させる形で環境庁として発足しました。その後、2001年の中央省庁再編により環境省となりました。

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参考文献

  • 第84回国会公害対策並びに環境保全特別委員会 1978年2月28日議事録