日本の保育士制度と資格概要
📌 主なポイント
- ✓保育士は児童福祉法に基づく日本の国家資格および名称独占資格である。
- ✓1999年以前の資格名は「保母」であったが、男女雇用機会均等法の改正などを経て1999年4月に現在の「保育士」へ改称された。
- ✓資格を取得するには、指定保育士養成施設を卒業するか、保育士試験に合格して都道府県知事への登録を完了する必要がある。
保育士(ほいくし、英: Childcare Worker)は、保育所などの児童福祉施設において、専門的な知識と技術をもって児童の保育および保護者に対する指導を行う者を指す日本の国家資格および名称独占資格である。
根拠法令は児童福祉法であり、同法第18条の4において定義されている。学歴などの要件を満たすことで、幼稚園教諭免許状と併せて取得することも可能となっている。
名称の変遷
1999年以前の正確な資格名は「保母」であった。従事者は長年にわたり女性が大部分を占めていたが、1985年の男女雇用機会均等法や1999年の男女共同参画社会基本法の制定を背景として、男性の就労者も増加していった。
当初、男性に対して「保母さん」と呼ぶことへの違和感から「保父さん」という通称が使われることもあったが、公式な資格名は「保母」であったため、行政手続きや公式文書の職業欄には「保母」と記入する必要があった。その後、総務庁行政監察局への意見などを契機として名称の見直しが行われ、1999年4月1日の男女雇用機会均等法改正に伴う児童福祉法施行令の改正により、性別に依存しない現在の「保育士」へ改称された。
資格の取得方法
保育士資格を取得するには、主に以下の2つの経路が存在する。
- 指定保育士養成施設を卒業する方法: 厚生労働大臣が指定する学校や施設(大学、短期大学、専門学校など)で所定の課程・科目を履修し、校外実習を経て卒業することで資格を取得する。
- 保育士試験に合格する方法: 受験資格を満たした上で、都道府県知事が行う筆記試験および実技試験を受験し、全科目に合格して登録手続きを行う。
また、受験にあたっては一定の欠格事項が定められており、拘禁刑以上の刑に処せられた場合や、児童福祉法等の規定により罰金刑を受けた場合などは、一定期間保育士となることができない。
保育士試験の仕組み
保育士試験は、筆記試験と実技試験で構成されている。
筆記試験
筆記試験は科目別の合格制を採用しており、各科目とも100点満点中6割以上の得点で合格となる。合格した科目は翌々年までの3年間有効であり、一部の科目(教育原理と社会的養護など)には同一年度での同時合格が義務づけられている等の規定がある。
実技試験
筆記試験の全科目を突破した者のみが実技試験に進むことができる。「音楽表現に関する技術」「造形表現に関する技術」「言語表現に関する技術」の3分野から2分野を選択し、それぞれ基準点を満たす必要がある。
主な就労先
保育士の資格を取得し、都道府県知事への登録を完了して保育士証の交付を受けた者が、保育士の名称を用いて勤務することができる。主な就労先は以下の通りである。
- 認可保育所および認可外保育施設(事業所内保育施設、病院内保育施設など)
- 乳児院、児童養護施設、児童館、放課後児童クラブなどの児童福祉施設
- 病児保育施設および訪問型病児保育事業所
関連する課題
大都市を中心とした保育所の新設が進む地域においては、保育士の不足が構造的な課題となっている。保育士不足の主な要因としては、低賃金や長時間労働をはじめとする厳しい労働環境が挙げられており、待遇改善や家賃補助などの支援策が講じられている。
よくある質問
保育士とはどのような資格ですか?
以前「保母」と呼ばれていたのはなぜですか?
保育士資格を取得する方法にはどのようなものがありますか?
保育士試験の合格科目の有効期限はどのくらいですか?
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参考文献
- 児童福祉法(昭和22年法律第164号)
- 厚生労働省「保育士試験の概要」
- 厚生労働省「幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例」