航空計器

水平位置指示装置(HSI)の概要と航空機における役割

水平位置指示装置(HSI)の概要と航空機における役割
航空機の計器飛行に用いられる水平位置指示装置(HSI)の機能、特徴、従来の計器との違いについて詳しく解説します。

📌 主なポイント

  • 水平位置指示装置(HSI)は、飛行方位計とVOR-ILSディスプレイを統合した航空計器である。
  • ILSのバックコースアプローチにおけるリバースセンシングの混乱を防ぐ設計となっている。
  • 小型機用の標準的な計器サイズは3 ¼インチである。

水平位置指示装置(すいへいちじいしじそうち、英語: horizontal situation indicator、略称: HSI)は、航空機の操縦席において、従来の飛行方位計とVHF全方向測距計器着陸装置(VOR-ILS)ディスプレイの機能を統合した航空計器である。通常、姿勢指示器の下に取り付けられ、パイロットの計器スキャンの要素数を減らして作業負荷を軽減する役割を持つ。

ディスプレイの重要な要素を示す水平位置指示装置の説明図
ディスプレイの重要な要素を示す水平位置指示装置の説明図

主な機能と利点

HSIの大きな利点の一つは、計器着陸装置(ILS)ローカライザーのバックコースアプローチにおけるリバースセンシングの混乱を解消する点にある。針がローカライザーのフロントコースにセットされていれば、機体が進行方向に対して左右どちらの方向へ向かえばよいかが直感的に表示される。

HSIの中央には航空機を模したシンボルが表示され、その周囲に関連するVORやILSのディスプレイ情報が統合される。また、方位計は通常リモートコンパスと連動しており、方位選択バグの追跡や、ローカライザーおよびグライドスロープに従ったILSアプローチを実行するオートパイロットとの相互接続も可能である。

従来のVOR表示器との違い

従来のVOR表示器では、左右(left-right)や方向(to-from)の情報を使用者が選択したコースとの関連で解釈する必要があった。これに対し、HSIがVORステーションに同調している場合、左右の指示は常に機体から見た左右を意味する。また、TO/FROMの表示はVORを指す単純な三角形の矢印によって行われ、矢印の先端がコースセレクターの矢印と同じ側を向いている場合はTO、反対側を向いている場合はFROMを意味する。

サイズと近代的なシステム

小型飛行機用に設計された標準的なHSIは、3 ¼インチの計器サイズを持っている。一方、大型の航空機やジェット機向けのHSIはより大型であり、多様な表示要素が含まれる場合がある。

近代的な航空機においては、ディスプレイが電子式へと移行しており、電子飛行計器システム(EFIS)と統合されていわゆる「グラスコックピット」の一部を構成することが一般的となっている。

よくある質問

水平位置指示装置(HSI)とは何ですか?
飛行方位計とVHF全方向測距計器着陸装置(VOR-ILS)の機能を1つに組み合わせた航空計器であり、パイロットの作業負荷を軽減するために姿勢指示器の下などに配置されます。
従来のVOR表示器とHSIの最大の違いは何ですか?
従来の表示器では解釈が必要だった左右の指示やTO/FROMの方向が、HSIではより直感的かつ視覚的に分かりやすく表示される点です。
グラスコックピットとの関係はどのようなものですか?
最新のHSI表示は電子式が主流であり、電子飛行計器システムと統合されてグラスコックピットシステムの一部として機能します。

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参考文献

Instrument Flying Handbook 2012 (FAA-H-8083-15B), United States Department of Transportation, Federal Aviation Administration, Airman Testing Standards Branch, 2012, pp. 5-23, 7-38.