地理学・測量学
方位と方角の基礎知識:測量から東洋の伝統的表現まで

方位(ほうい)の定義や測定方法、平面上の表現形式(360°式・90°式・点画式)、東アジアにおける十二支や二十四山などの伝統的方位表現について解説する百科事典記事です。
📌 主なポイント
- ✓方位とは水平面内の方向を基準となる一定の方向との関係で表したものであり、方角と同義である。
- ✓真北と磁北の差は偏差(偏角)と呼ばれ、磁気子午線と物標を結ぶ交角は磁針方位と呼ばれる。
- ✓東アジアでは十二支や八卦、それらを組み合わせた二十四山などの伝統的な方位表現が用いられてきた。
方位(ほうい)とは、ある地点における水平面内の方向を、基準となる一定の方向との関係で表したものである。または、基準となるべき幾つかの方向に付けた名称であり、方角(ほうがく)もほぼ同義語として用いられる。
方位の基準と測定
方位の基準には真の子午線が用いられ、この真の子午線と物標、観測者とを結ぶ線との交角を真方位と呼ぶ。観測点の位置は中央と呼ばれる。
方位の測定には方位磁針が使用される。しかし、方位磁針が指し示す北は真北ではなく磁北であり、真北と磁北の差は偏差(偏角)と呼ばれる。磁石の針が指し示す南北を通る線は磁気子午線と呼ばれ、磁気子午線と物標・観測者を結ぶ線との交角は磁針方位と呼ばれる。
船舶などで使用される方位磁針は、船内の鉄器設備などによる磁気作用の影響を受けるため、磁極の方向ともさらに差が生じる。この差は自差と呼ばれ、羅針儀などの指し示す南北線と物標を結ぶ線との交角を羅針方位と呼ぶ。これらの偏差や自差を調整して真方位と羅針方位を相互に換算する作業は、方位の改正と呼ばれる。
平面における方位の表現形式
平面上での方位表現には、主に以下の方式が存在する。
- 360°式(方位角):北を0°=360°とし、時計回りに東を90°、南を180°、西を270°とする方式。航空や船舶の進路指定などで用いられる。
- 90°式:天文学や測量で用いられ、東西南北を基準として時計回りまたは反時計回りへの角度で表す方法(例:北28度東など)。
- 点画式:円周を分割する表現形式であり、4方位、8方位、16方位、さらに細分化した32方位などが存在する。
東洋における伝統的な方位表現
東アジアでは、古くから独自の方向基準が発展してきた。十二支を用いた12方向(間隔30°)や、八卦を用いた8方向が知られている。
さらに、十二支・八卦・十干を組み合わせた二十四山(二十四方向)では、方位間隔が15°となり、風水や伝統的な地理的判断に利用されてきた。これらの中で、北・東・南・西は四方、北東・南東・南西・北西は四維と呼ばれる。
よくある質問
真方位と磁針方位の違いは何ですか?
真方位は真の子午線を基準とした方位であるのに対し、磁針方位は方位磁針が指し示す磁北(磁気子午線)を基準とした方位です。
二十四山とは何ですか?
十二支、八卦、十干を組み合わせて全周を24等分(15°間隔)した東洋の伝統的な方位表現です。
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参考文献
歴史群像編集部『全国版 幕末維新人物事典』2010年、38頁。