物理学

放射束の基礎と物理的性質

放射束の基礎と物理的性質
放射束の定義、電磁波の放射、分光放射束、測光量との関係、および国際単位系(SI)における放射量について解説する物理学の解説記事です。

📌 主なポイント

  • ✓放射束は単位時間あたりに面を通過する放射エネルギーを表す物理量である。
  • ✓放射束のSI単位にはワット(W)が使用される。
  • ✓電磁波だけでなく音波や粒子線の放出に対しても放射束の概念を適用できる。
  • ✓可視光域では人間の視覚特性を考慮した光束という心理物理量が定義される。

放射束(ほうしゃそく、英語: radiant flux)とは、ある面を時間あたりに通過する放射エネルギーを表す物理量である。国際単位系(SI)における単位にはワット(記号: W)が用いられる。

物理学の概念図
物理学

放射源を囲う面を通り抜ける全放射束は、放射源の仕事率(power)に等しい。放射源が電流によるものであり損失がない場合、消費電力と等しくなり、放射電力とも呼ばれる。一般的には電磁波に対して用いられることが多いが、エネルギーの放射であれば音波や粒子線の放出に対しても考えることができる。

電磁波の放射と分光放射束

電磁波の放射に対しては、波長ごとの放射束である分光放射束(あるいはスペクトル放射束)を考えることができる。可視光付近の波長の単位としてはナノメートル(nm)が用いられることが多く、この場合の分光放射束の単位はW/nmとなる。

放射束の積分方程式
放射束を求めるための積分方程式

波長λの電磁波の分光放射束をΦλとすれば、全体の放射束は波長全域にわたる積分によって求められる。

測光量との関係

可視光域の電磁波に対しては、人間の視覚が感じる明るさの度合いを考慮し、波長ごとに重み付けを行うことで光束と呼ばれる心理物理量が導入される。視感度を用いて定義される光束は仕事率ではないため、測光量には独自の次元が与えられている。

光束の定義式
光束の定義式

放射量の国際単位系一覧

物理量SI単位記号備考
放射エネルギージュールJ光における光度エネルギー
放射束ワットW光における光束
放射強度ワット毎ステラジアンW/sr光における光度
放射輝度ワット毎ステラジアン毎平方メートルW/sr/m2光における輝度
放射照度ワット毎平方メートルW/m2光における照度
放射発散度ワット毎平方メートルW/m2光における光束発散度
分光放射輝度ワット毎ステラジアン毎立方メートルW/sr/m3-
分光放射照度W/m3W/m3-

よくある質問

放射束の単位は何ですか?
国際単位系(SI)において、放射束の単位にはワット(記号: W)が用いられます。
分光放射束とは何ですか?
電磁波の放射に対して波長ごとの放射束を指したものであり、スペクトル放射束とも呼ばれます。
光束と放射束の違いは何ですか?
放射束が物理的なエネルギーの仕事率を表すのに対し、光束は人間の視覚が感じる明るさの度合いを考慮して重み付けされた心理物理量です。

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参考文献

国際単位系(SI)関連の物理学教科書および各種物理学用語辞典