夫婦の法的・社会的定義と各国の制度概要

📌 主なポイント
- ✓日本の民法第752条では、夫婦の同居、協力、扶助の義務が定められている。
- ✓フランスでは法律婚のほかに、1999年に市民連帯契約(PACS)という法的枠組みが導入されている。
- ✓スウェーデンでは税制や社会保障が個人単位で設計されており、男女の経済的自立が基本となっている。
- ✓イスラーム法では一夫多妻制が認められているが、その実施割合や形態は国や文化圏によって異なる。
夫婦(ふうふ、めおと、みょうと)とは、適法の婚姻関係にある男女を指す言葉である。現代においては夫妻とも呼ばれ、男性を夫、女性を妻と呼ぶ。


古風な表現や歴史的な表記法としては、女夫・妻夫(めお、めおと、みょうと、めおっと、めおとこ)、あるいは妹背・妹兄(いもせ)といった表現も存在した。夫婦の位置付けや権利・義務のあり方は、国や文化圏によって大きく異なる。
日本における夫婦の制度と実態
日本の民法第752条では、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められており、同居・協力・扶助の義務を課している。正当な理由なくこれらの義務を故意に履行しない場合は「悪意の遺棄」とみなされ、法定の離婚原因となり得る。


また、民法第750条では「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と規定されており、夫婦同姓が法律上義務付けられている。女性の社会進出や就労率の増加に伴い、旧姓を通称として利用するケースが増加しており、選択的夫婦別姓制度の導入をめぐる議論も活発に行われている。
ヨーロッパにおけるパートナーシップ制度
フランス
フランスでは、従来の宗教的結婚や法律婚のほかに、1999年に市民連帯契約(PACS)という制度が導入された。これは性別に関係なく、成年に達した二人の個人が安定した持続的共同生活を営むために交わす契約である。法律婚件数と比較してPACS件数も多く、2022年の実績では法律婚が24万1,700件に対し、PACSは20万9,800件となっている。

スウェーデン
スウェーデンでは男女が対等な関係にあり、個人の自立が重視されている。所得税の申告は個人単位で行われ、扶養控除はなく、年金も本人にのみ支給される。家計は収入に応じて分担することが多く、男女ともに仕事を持つことが一般的である。



イスラーム圏における婚姻の形態
イスラーム法では一夫多妻制が認められており、夫は複数の妻を持つことができる。ただし、すべての妻を平等に愛さなければならないという規定が存在するため、精神的および金銭的な負担が大きいとされている。実際に一夫多妻となっている割合は国や地域によって異なり、西アフリカや中東などの地域ごとに統計の数値にばらつきが見られる。


