化学

水素化合物(ハイドライド)の化学的性質と分類

水素化合物(ハイドライド)の化学的性質と分類
水素化合物(ハイドライド)の定義、分子状水素化物・塩類似水素化物・金属類似水素化物の分類、および主な元素の水素化物について解説します。

📌 主なポイント

  • 水素化合物は、水素と他の元素が化合して生成される物質の総称である。
  • 結合の性質に基づき、分子状水素化物、塩類似水素化物、金属類似水素化物などに分類される。
  • 塩類似水素化物はアルカリ金属やアルカリ土類金属で形成されるイオン性の高い白色固体である。

水素化合物(すいそかごうぶつ、英: Hydride)は、水素が他の元素と化合してできた物質の総称である。狭義には、水素と単一の他の元素とから構成される二元化合物を指すが、より広い範囲の化合物も含めて水素化物と呼ぶことが多い。また、化学反応において水素と化合するプロセスは水素化と呼ばれる。

水素化物の主な分類

水素化物は、結合様式の違いによって分子状化合物、塩類似水素化物、金属類似水素化物、あるいはその中間的な化合物に大別される。

分子状水素化物

ホスフィン分子の構造式
ホスフィン(PH3)の構造式

分子状水素化物は共有結合性水素化物とも呼ばれる。構成する水素原子の電荷状態により、物性が大きく異なる。水素原子がほぼ電気的中性である場合、分子間力はファンデルワールス力のみとなり、ホスフィン(PH3)のように比較的低沸点を示す。一方、水素原子が正電荷を帯びる場合には双極子による分子間力が働き、高い沸点や融点を持つ傾向がある。

ジボラン分子の構造式
ジボラン(B2H6)の構造式

また、水素原子が陰性に傾いたヒドリド性水素を持つジボラン(B2H6)などは反応性が高く、酸素などと激しく反応する性質を示す。

塩類似水素化物

水素化リチウムの電気分解反応式
水素化リチウムの電気分解反応を示す化学式

塩類似水素化物はイオン性水素化物とも呼ばれ、アルカリ金属やアルカリ土類金属によって形成される反応性の高い白色固体である。金属陽イオンと水素化物イオン(H-)から構成されており、例えば溶融塩化リチウム中での水素化リチウムの電気分解では、陽極から水素ガスが発生する。

金属類似水素化物

水素化チタンの組成式
水素化チタンの化学的組成モデル

特定の遷移金属は、高圧下での加熱などにより金属類似水素化物を形成する。代表例である水素化チタンなどでは、自由電子の存在により金属光沢や高い電気伝導性を示す。また、水素を効率的に吸蔵・放出できる性質を持つものは水素吸蔵合金として知られ、エネルギー貯蔵技術への応用が研究されている。

よくある質問

水素化物とは何ですか?
水素が他の元素と化合してできた物質の総称であり、狭義には水素と他の単一元素からなる二元化合物を指します。
水素化物はどのように分類されますか?
主に分子状水素化物(共有結合性水素化物)、塩類似水素化物(イオン性水素化物)、金属類似水素化物の3つに大別されます。
金属類似水素化物の特徴は何ですか?
遷移金属と水素からなり、自由電子に由来する金属光沢や高い電気伝導性を示すものがあります。

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参考文献

レイナーキャナム無機化学, 東京化学同人, 2009年3月19日.