化学

フッ化水素の化学的性質と応用に関する総合解説

フッ化水素の化学的性質と応用に関する総合解説
フッ化水素(HF)の化学的性質、製法、ガラスとの反応、および産業上の応用について解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • 化学式は HF で表され、水素とフッ素から構成される無機化合物である。
  • 蛍石(フッ化カルシウム)と濃硫酸を混合・加熱することで製造される。
  • ガラスに含まれる二酸化ケイ素と反応してこれを腐食する特性を持つ。

フッ化水素(フッかすいそ、弗化水素、hydrogen fluoride)とは、水素とフッ素からなる無機化合物であり、分子式 HF で表される無色の気体または液体である。水溶液はフッ化水素酸(hydroclimatic acid、通常はフッ酸と呼ばれる)として知られており、日本の毒物及び劇物取締法においては医薬用外毒物に指定されている。

製法

フッ化水素は、主に蛍石(主成分はフッ化カルシウム $ ext{CaF}_2$)と濃硫酸を混合して加熱することによって製造される。

蛍石と濃硫酸の反応によるフッ化水素の生成
蛍石と濃硫酸の反応によるフッ化水素の生成

また、水にフッ素を反応させると激しく反応し、フッ化水素と酸素が生じる反応様式をとる。

水とフッ素の反応
水とフッ素の反応

性質と分子構造

融点はおよそ -84 ℃、沸点は 19.54 ℃ であり、常温付近では気体または液体として存在する。他のハロゲン化水素と比較して、F-H結合エネルギーが大きいため電離しづらく、希薄水溶液中では弱酸として振る舞う。

液体フッ化水素の自己解離平衡
液体フッ化水素の自己解離平衡
フッ化水素のイオン積定数
フッ化水素のイオン積定数

ガラスとの反応

フッ化物イオンの高い求核性と、ケイ素原子との強い結合形成、およびケイ酸骨格へのプロトン化の相互作用により、ガラス等に含まれる二酸化ケイ素 ($ ext{SiO}_2$) を腐食させる反応を起こす。

フッ化水素によるガラス(二酸化ケイ素)の溶解・腐食反応
フッ化水素によるガラス(二酸化ケイ素)の溶解・腐食反応
気体フッ化水素と二酸化ケイ素の反応
気体フッ化水素と二酸化ケイ素の反応

よくある質問

フッ化水素の化学式は何ですか?
化学式は HF です。
フッ化水素の水溶液は何と呼ばれますか?
フッ化水素酸(またはフッ酸)と呼ばれます。
フッ化水素はどのような原料から製造されますか?
蛍石(フッ化カルシウム)と濃硫酸を混合・加熱して製造されます。

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参考文献

  • NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0334
  • 村橋俊介、榊原俊平「無水フッ化水素」『有機合成化学協会誌』第25巻第12号、1967年、1176-1191頁。