化学
pH(水素イオン指数)の化学的定義と測定法

溶液の酸性・アルカリ性の程度を示す物理量「pH(水素イオン指数)」の定義、歴史、IUPACによる標準溶液、および測定方法について詳しく解説する専門事典記事です。
📌 主なポイント
- ✓pHは1909年にデンマークの生化学者セーレン・セーレンセンによって提案された。
- ✓IUPACはpHを単位の付かない無次元量として扱っている。
- ✓日本の計量法においては「ピーエッチ」が濃度の計量単位として定められている。
pH(ピーエッチ、ピーエイチ、ペーハー)は、水溶液の酸性とアルカリ性の程度を表す物理量であり、水素イオン指数または水素指数とも呼ばれる。1909年にデンマークの生化学者セーレン・セーレンセンによって提案された。
国際純血・応用化学連合(IUPAC)は、pHを単位の付かない無次元量として定義している。一方、日本の計量法では「ピーエッチ」を濃度の計量単位として定めており、その単位記号として「pH」を用いている。

歴史と名称の由来
1909年、セーレンセンは酵素研究において水素イオン濃度の重要性を認識し、極めて広い範囲で変動する数値を扱いやすくするためにpHの概念を導入した。提案者であるセーレンセン自身は「p」の語源についての明確な説明を残しておらず、後にさまざまな言語で「potential of hydrogen」や「potenz H」などの解釈が提唱されている。
定義と算出方法
厳密な熱力学において、単独イオンの活量を直接測定することは不可能である。そのため、IUPACやJISなどの規格では、活量係数を考慮した操作的定義が採用されている。

希薄水溶液においては、水素イオンのモル濃度の逆数の常用対数として近似的に表されることが多い。しかし、濃度が 1 mol/L を超えるような高濃度の酸やアルカリ溶液では、モル濃度と活量の乖離が大きくなるため、酸度関数などを用いるのが一般的である。
一次測定と標準溶液
実験的に正確なpHを決定するため、IUPACは液間電位差のないハーンド電池を用いた一次測定を規定している。また、測定の基準となる一次標準溶液として、フタル酸塩標準溶液や中性リン酸塩標準溶液など、緩衝作用を持ち純度の高い物質の水溶液が選定されている。
よくある質問
pHの読み方にはどのようなものがありますか?
JIS規格では「ピーエッチ」または「ピーエイチ」が定められており、ドイツ語読みに由来する「ペーハー」という読み方も広く使われています。
pHの「p」は何の略ですか?
提案者のセーレンセンが語源についての説明を残していないため、公式な由来は不明ですが、英語の「potential of hydrogen」やドイツ語の「Potenz H」などが慣例的に説明として用いられています。
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参考文献
『理化学辞典』【水素イオン指数】
国際純血・応用化学連合(IUPAC)Green Book
JIS Z 8802 pH測定方法
国際純血・応用化学連合(IUPAC)Green Book
JIS Z 8802 pH測定方法