交通安全

自動車走行におけるハイドロプレーニング現象の原因と影響

自動車走行におけるハイドロプレーニング現象の原因と影響
自動車が水たまりのある路面を走行する際にタイヤと路面の摩擦が失われるハイドロプレーニング現象の原因、影響、および対策について解説します。

📌 主なポイント

  • ハイドロプレーニング現象は、タイヤと路面の間に水が入り込み摩擦力が失われる現象である。
  • 発生する臨界速度は負荷荷重とは無関係でタイヤの空気圧に依存するという研究がある。
  • タイヤの溝パターンの最適化や排水性舗装によって発生の抑制が可能である。

ハイドロプレーニング現象(英語: hydroplaning)は、アクアプレーニング現象や水膜現象とも呼ばれ、自動車などの車両が水が溜まった路面を走行する際、タイヤと路面との間に水が入り込み、摩擦力が失われる現象です。この状態では、タイヤと路面の間に形成された水が潤滑剤として作用するため、タイヤと路面の接触が失われ、運転手による加速、操舵、制動のすべてが制御不能となります。

ハイドロプレーニングが発生している状態の概念図
ハイドロプレーニングが発生している状態の概念図

発生原因とメカニズム

ハイドロプレーニング現象は、路面に溜まった水の量がタイヤの持つ排水能力を超過したときに発生します。特定の研究においては、この現象が発生する臨界速度は車両の負荷荷重とは無関係であり、主にタイヤの空気圧に依存するとされています。

ハイドロプレーニングを発生している車両
ハイドロプレーニングを発生している車両

対策と予防

ハイドロプレーニング現象を抑制するための対策として、タイヤの溝パターンの最適化や、路面の排水性能を高めた排水性舗装(透水性アスファルト舗装)の採用などが挙げられます。また、航空機が湿った滑走路に着陸する際には、タイヤを滑走路に強く当てて着陸することで同現象を防ぐ工夫が行われることがあります。

主な関連事故

過去には、ハイドロプレーニング現象が関与したとされる重大な航空機事故やモータースポーツ事故が発生しています。1969年1月の米空軍機によるオーバーラン事故や、1977年のTAPポルトガル航空425便オーバーラン事故、2006年のアトランティック航空670便オーバーラン事故、さらに2014年のF1世界選手権日本グランプリにおけるジュール・ビアンキの事故などにおいて、雨天や滑走路・路面上の水膜が引き起こす制御不能状態が問題となりました。

よくある質問

ハイドロプレーニング現象が発生するとどうなりますか?
タイヤと路面の間に水膜ができ、摩擦力が失われるため、加速、操舵、制動のすべてがコントロール不能になります。
ハイドロプレーニング現象を防ぐにはどのような対策がありますか?
タイヤの排水性を高める溝パターンの最適化や、路面の排水性能を向上させる透水性アスファルト舗装(排水性舗装)の採用が有効です。
走行中にハイドロプレーニング現象が発生した場合の対処法は何ですか?
完全にコントロールを失った状態では無理な操作を避け、ハンドルをしっかりと保持したままアクセルからゆっくり足を離し、減速して摩擦力が回復するのを待つのが基本とされています。

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参考文献

小石正隆(横浜ゴム株式会社) (2003年4月). “7/21ページ タイヤのハイドロプレーニング現象と計算力学 3.タイヤのハイドロプレーニング現象” (PDF). 日本機械学会計算力学部門. 2021年5月24日閲覧。