物理学・単位

標準気圧の定義と圧力単位の仕組み

標準気圧(atm)の定義やパスカルへの換算、国際度量衡総会における制定の歴史、化学における標準圧力の変遷について解説する百科事典記事です。

📌 主なポイント

  • 標準気圧の単位記号は atm である。
  • 標準気圧の値は正確に101325パスカル(Pa)と定義されている。
  • 1954年の第10回国際度量衡総会(CGPM)で一般的な標準気圧が採用された。
  • 日本の計量法では「気圧」として圧力の単位に規定されている。

標準気圧(ひょうじゅんきあつ、英語: atmosphere, standard atmosphere)は、圧力の非SI単位であり、大気圧の国際的な基準となる値である。その値は正確に101325パスカル(Pa)と定められており、「標準大気圧」とも呼ばれる。

定義と歴史的背景

1954年に開催された国際度量衡総会(CGPM)の第10回総会において、一般的な用途のための標準気圧が正式に採用された。この決定では、1平方センチメートルあたり1013250ダインの圧力、すなわち101325パスカルに等しいと規定された。

この数値は、CGPMの開催地であるパリと同緯度における平均海水面(mean sea level, MSL)の平均気圧を基礎として算出されたものである。世界の先進工業国の多くがフランスと同緯度帯に位置しているため、これらの地域における平均海水面での平均気圧とも概ね一致している。

法律上の位置づけ

日本の計量法体系においては、「標準気圧」という語句ではなく、単に「気圧」という名称で圧力の法定計量単位として規定されている。また、その単位記号としては「atm」が定められている。

化学における標準圧力の変遷

化学の分野では、物質の物理的状態を示す標準状態である「標準温度と圧力」(STP)において、従来は温度0度(273.15ケルビン)および1標準気圧(1 atm = 101.325キロパスカル)を基準として用いていた。

しかし、1982年に国際純正・応用化学連合(IUPAC)は、物質の物理的状態をより明確に定義・運用する目的で、新たな「標準圧力」(standard pressure)を100キロパスカル(1バール)とするよう勧告を行った。

他の圧力単位との関係

1バールは100000パスカルであるため、実用上は不正確であるものの、1気圧の代わりにバールが用いられることもある。1気圧を1バールに置き換えた場合におよそ1.3%の誤差が生じるが、多くの実用的な場面では許容範囲内とみなされている。

よくある質問

標準気圧の正確な値はいくつですか?
標準気圧の値は正確に101325パスカル(Pa)です。
標準気圧の単位記号は何ですか?
単位記号は「atm」と定められています。
化学分野における標準圧力の定義はどう変わりましたか?
IUPACは1982年に、物質の物理的状態を示す標準圧力を100キロパスカル(1バール)とするよう勧告しました。

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参考文献

  • 計量法 別表第三 圧力の欄、気圧
  • 計量単位規則 別表第2 圧力、気圧の欄、「atm」
  • IUPAC.org, Gold Book, Standard Pressure