地球科学

氷震(ひょうしん)のメカニズムと観測事例

氷震(アイスクエイク)の定義、発生メカニズム、グリーンランドや南極、屈斜路湖における観測事例について解説する地球科学の記事です。

📌 主なポイント

  • 氷震は、凍土や氷河などが急激に亀裂を生じる際に発生する弾現象である。
  • グリーンランドの氷河活動による地震動は、全世界の地震計で記録されている。
  • 南極のウィランズ氷流では、潮汐に関連したスティック・スリップ運動によって氷震が発生している。

氷震(ひょうしん、英語:cryoseism、ice quake)は、凍土や水分・氷を大量に含んだ地表、あるいは氷河などが急激な亀裂を生じる際に発生する地震現象である。英語圏では「frost quake」とも呼ばれる。

発生メカニズム

氷河が巨大な力を伴って滑走する際、弾性波が放出され、世界中の地震計に記録される。このような現象は特に「ice quake」と称される。また、湖沼の結氷地帯などにおいては、急激な温度差による応力に伴う破壊や、氷の塑性変形に伴う応力緩和によって発生すると考えられている。

主な観測事例

グリーンランド

グリーンランドの氷河においては、晩夏に1分間あたりおよそ10mの活動による地震動が全世界の地震計で観測された。こうした観測は、小規模な氷河の挙動や内部構造の変化を監視する有効な手段となっている。

南極

南極のみずほ観測拠点における観測では、気温が-35℃以下で、かつその変化の割合が1時間に-2.5℃以下または-1℃の場合が数時間続くという条件のもとで氷震が発生することが示された。また、ウィランズ氷流では潮汐の働きによってスティック・スリップ運動が規則的に起きており、長時間の緩やかな揺れとして観測されている。

屈斜路湖

国内の事例としては、屈斜路湖において氷の収縮に伴う破壊音や活動が観測されている。気温の変化が激しい時期に活動が活発化し、地震活動に類似したパターンを示すことが研究によって報告されている。

よくある質問

氷震とは何ですか?
凍土や水分を大量に含んだ地表、氷河などが急激に亀裂を生じる際に発生する弾性波を伴う現象です。
どのような場所で発生しますか?
グリーンランドや南極などの氷河地帯のほか、国内では屈斜路湖などの結氷地帯でも観測されています。

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参考文献

杉本芳博; 藤井智史; 森谷武男; 笹谷努「屈斜路湖における鞍状隆起現象と氷震活動の観測」『北海道大学地球物理学研究報告』第40号、79-91頁、1981年11月30日。