言語学・タイポグラフィ
ハイフン(約物)の概要と用法
ハイフン(‐)の定義、主な用法、英語におけるハイフネーションの役割、およびダッシュやマイナス記号との違いについて解説します。
📌 主なポイント
- ✓ハイフンは語の結合や音節の分離に使用される4分幅の約物である。
- ✓ハイフネーションとは、ハイフンを用いた表記規則の総称である。
- ✓ダッシュやマイナス記号とは用途および形状が異なる。
- ✓英語圏では、複合語におけるハイフンの使用が減少傾向にある。
ハイフン(‐)は、ラテン文字やキリル文字などのアルファベット体系において、語の結合や音節の分離に用いられる約物です。一般的に4分幅の横棒として定義されます。ハイフンを用いた表記の規則は「ハイフネーション」と総称されます。
主な用法
ハイフンは主に以下の目的で使用されます。
- 語の結合:複数の単語から構成される複合語において、それらを一つの概念として扱う際に用いられます。特に英語の複合形容詞などで顕著です。
- 分綴(ぶんてつ):行末で単語が収まりきらない際、音節で区切って次の行に送るために使用されます。これにより、文章の右端を整える効果があります。
- 接頭辞との連結:特定の接頭辞と語を連結する際に用いられることがあります。
- 数字や記号の区切り:日本では住所や電話番号の階層区切りとして用いられることが一般的です。
ダッシュおよびマイナス記号との混同
ハイフンは、外見が類似している他の記号と混同されやすい傾向にあります。特に、より長い横棒である「ダッシュ(–, —, ―)」や、数学記号である「マイナス記号(−)」とは用途が明確に異なります。また、コンピュータ環境においては、ASCIIやLatin-1などの制限により、ハイフンマイナス(-)が代用されることが一般的です。
英語におけるハイフネーションの傾向
英語圏におけるハイフンの使用は、時代とともに減少傾向にあります。かつてハイフンで連結されていた複合語が、現在ではスペースで区切られるか、あるいは一つの単語として統合されるケースが増えています。これはインターネットやコンピュータ技術の普及に伴う表記の簡略化が背景にあると考えられています。
よくある質問
ハイフンとダッシュはどう違いますか?
ハイフンは主に語の結合や分綴に使用される短い記号ですが、ダッシュは文の挿入や範囲を示すために使われるより長い記号であり、用途が異なります。
ハイフンマイナスとは何ですか?
コンピュータの文字コード(ASCIIなど)において、ハイフン、マイナス、ダッシュなどを一つの記号で代用するために定義された記号です。
分綴(ぶんてつ)とは何ですか?
行末で単語が収まりきらない場合に、音節の区切りで単語を分割し、ハイフンを挿入して次の行に送る組版上の処理のことです。
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参考文献
- 文部省『くぎり符号の使ひ方』昭和21年。
- 大類雅敏『句読点活用辞典』栄光出版社、2018年、119頁。
- ビビアン・クック著、岡田毅、石崎貴士訳『英語の書記体系』音羽書房鶴見書店、2008年、168頁。
- 松浪有、池上嘉彦、今井邦彦編『大修館英語学事典』大修館書店、1983年、981頁。