建築・住居
イグルー(雪の家)の構造と特徴

カナダ北端からラブラドル半島にかけての先住民族の知恵から生まれた圧雪ブロック製の一時的シェルター「イグルー」の構造や作り方について解説します。
📌 主なポイント
- ✓イグルーはカナダ北端のマッケンジー河口付近からラブラドル半島にかけての地域で作られてきた。
- ✓圧雪ブロックを螺旋状にドーム型へ積み上げて構築する一時的なシェルターである。
- ✓原住民であるイヌイットの移動生活や冬期の狩猟の知恵から生まれた。
イグルー(イヌクティトゥット語:iglu、英語:igloo)は、カナダ北端のマッケンジー河口付近からラブラドル半島にかけての地域で使用される、狩猟の旅先などで圧雪ブロックを使用して作られる一時的なシェルターである。

イヌクティトゥット語における「イグルー」という言葉には、皮や石で作られたものや恒久的な建物も含まれるが、日本語や欧米諸語においては、圧雪ブロックを積み上げて作る一時的なシェルターを指すことが一般的である。スノーハウス(雪の家)とも呼ばれる。
歴史と利用背景
かつてイヌイットは移動を伴う生活を送っており、一年の大半を雪と氷に閉ざされたツンドラ地帯で暮らしていた。どこでも手に入る雪や氷を活用して住居を作る知恵からイグルーが生まれた。

20世紀末以降、定住化が進んだことにより、日常的な住居としてのイグルーの姿は失われつつある。しかし、現在でも一部のイヌイットが冬期のアザラシ猟の際に築くことがあるほか、積雪期における登山の際にテントの代わりとして利用されることもある。
作り方と構造
イグルーの建設には、切り出した圧雪ブロックを用いる。ブロックを下から螺旋状にドーム型へと積み上げていくことで、力学的に安定した構造を実現している。

ドーム状の形状は風を多方向に受け流し、積雪の重量を建物全体に分散させることができる。出入り口は外気が直接吹き込まないよう工夫されており、内部は外の寒気や風が遮断されるため比較的暖かく保たれる。
よくある質問
イグルーとは何ですか?
カナダ北端からラブラドル半島にかけての地域で、圧雪ブロックを用いて作られる一時的なシェルターのことです。
イグルーはどのような材料で作られますか?
主に周囲にある雪をブロック状に切り出して作られますが、地域や状況に応じて流木や獣骨などの資材が利用されることもあります。
関連記事
雪洞かまくらイヌイット組積造
参考文献
布野修司編『世界住居誌』昭和堂、2005年。