国際的な人口移動と移民を巡る動向

📌 主なポイント
- ✓国際連合の定義では、外国生まれの人口や、通常の居住国を変更する人を指して移民と呼ぶ。
- ✓19世紀は交通機関の発達や産業革命を背景に大量の人口移動が起きたことから「移民の世紀」と呼ばれる。
- ✓アメリカ合衆国などの各国では、法的な滞在資格やビザの種類によって移民の管理を行っている。
移民(いみん、英: migrant)とは、国際連合人口部の定義において、外国生まれの人口を指す言葉である。国外へ移動した人口は移出民や国外移住者(emigrant)、国内に入ってきた人口は入国移植者(immigrant)と呼ばれる。また、密入国や法的な滞在資格を持たない移動は不法移民(illegal immigrant)として区別される。
定義と統計
国際的に合意された法的な「移民」の定義は必ずしも一様ではないが、一般的には通常の居住国を変更する人を指す。国際連合の統計では、通常の居住地以外の国に移動し、少なくとも12か月間居住する人を「長期の移民」としている。これには長期留学生や仕事での長期赴任者なども含まれる場合がある。国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)などの国際機関によって、世界的な規模や動向に関する統計が定期的に発表されている。
歴史的変遷
人間の移動は古代から存在しているが、近代的な意味での移民や国境管理の概念は、国民国家の形成と国籍法の整備に伴って発展した。19世紀のヨーロッパでは、産業革命に伴う人口増加や交通機関の発達を背景として大規模な人口移動が起き、新大陸への移住が進んだことから「移民の世紀」とも称される。一方で、アメリカにおける中国人排斥や排日移民法、オーストラリアの白豪主義など、人種や地域に基づく移民制限政策も数多く導入された。
各国・地域の法制度と動向
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国では、政府が発行するビザが永住権を伴う「移民ビザ」と、滞在期間や活動に制限のある「非移民ビザ」に大別される。移民問題は国内の重要な政治的争点となっており、国境管理や不法移民への対応を巡る議論が続けられている。
ヨーロッパ
ヨーロッパにおいては、戦後復興期の労働力不足に伴う旧植民地や他国からの労働者受け入れ、地域紛争に起因する難民の流入などが歴史的背景にある。多文化共生政策や社会統合のあり方を巡り、宗教的・文化的な摩擦や排外主義の高まりなど、様々な社会的課題が議論されている。