国際音声記号の構造と歴史的発展

📌 主なポイント
- ✓国際音声記号(IPA)は国際音声学会によって策定された音声表記のアルファベット体系である。
- ✓1888年の改革により、言語間で記号の音価が統一された。
- ✓実際の細かな発音を示す場合は角括弧 [ ... ] を用い、抽象的な音素を示す場合は斜線 / ... / を用いる。
国際音声記号(英: International Phonetic Alphabet、略称: IPA)は、世界中のあらゆる言語の話し言葉に含まれる音声を文字によって視覚的に表現するため、国際音声学会(International Phonetic Association)が定めた標準的な音声記号体系である。
概要と基本原則
国際音声記号は主にラテン文字を基礎として構成されており、言語学者、辞書編纂者、言語聴覚士、語学学習者、俳優などによって広く利用されている。IPAの設計における根底には、「各々の区別的音(音素)に対して原則として一つの文字を与える」という選択性の原則が存在する。
音声の転写には主に二種類の括弧が用いられる。実際の細かい発音上の詳細まで含めて記録する音声表記(phonetic notation)には角括弧 [ ... ] が用いられ、その言語において意味の区別に関わる特徴のみを抽象的に示す音素表記(phonemic notation)には斜線 / ... / が用いられる。
歴史的背景
1886年、フランスの言語学者ポール・パシーを中心としたフランス語および英語の言語教師の一団によって結成された組織が、のちの国際音声学協会となった。オットー・イェスペルセンの提案を受け、ヘンリー・スウィートによる英語の綴字改革案「ローミック記号」などを原型として最初の体系が考案された。
当初は言語ごとに文字の音価が異なってもよいとされていたが、1888年には言語間で記号の音価が統一される重要な改革が行われ、これが以降のすべての改訂の基礎となった。その後もキール会議などの節目を経て大幅な再編や新規記号の追加が行われている。
文字体系と構造
国際音声記号は、子音や母音を表す基本文字のほか、発音の細部や二次的調音を示すダイアクリティカルマーク(分音符号)、および長さ・声調・強勢といった超分節的特徴を示す記号によって構成されている。
文字の形状の多くは、ラテン文字やギリシア文字、あるいはそれらを回転させたりスモールキャピタル体にしたりした変形である。例えば、そり舌音を表す記号には r の腕の形に由来する右向きのフック状の尾が用いられるなど、音の性質と図形的な形状に関連性を持たせる工夫がなされている。
よくある質問
国際音声記号(IPA)は何のために作られましたか?
角括弧 [...] と斜線 /.../ の違いは何ですか?
国際音声記号はいつ頃考案されましたか?
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参考文献
- International Phonetic Association 1999
- MacMahon, Michael K. C. (1996). "Phonetic Notation". In Daniels, P. T.; Bright, W. (eds.). The World's Writing Systems.