生物学
細胞内液:定義と生理学的組成
細胞内液(ICF)の定義、体液全体における割合、および細胞内外の電解質濃度の違いについて解説します。
📌 主なポイント
- ✓細胞内液は体液の約3分の2を占め、体重の約30〜40%に相当する。
- ✓細胞内液の主要な陽イオンはカリウムであり、細胞外液の主要な陽イオンであるナトリウムとは対照的である。
- ✓細胞膜を介したイオン濃度の維持は、細胞の生理機能や膜電位の形成に不可欠である。
細胞内液(さいぼうないえき、英: intracellular fluid, ICF)とは、多細胞生物の体液のうち、細胞膜の内側に存在する液体の総称です。細胞の生命活動を維持するための環境を提供し、代謝反応の場として機能します。
体液の分布
成人の体液は、大きく分けて細胞内液と細胞外液に分類されます。体重の約60%が水分で構成されており、そのうち細胞内液は全体の約3分の2(体重の約30〜40%)を占めます。残りの約3分の1は細胞外液であり、血管内を流れる血漿と、細胞の周囲を満たす間質液に分けられます。
細胞内外の組成の違い
細胞内液と細胞外液は、細胞膜を介して物質の交換を行っていますが、そのイオン組成は大きく異なります。この濃度勾配は、細胞膜に存在するポンプやチャネルによって維持されており、細胞の興奮性や浸透圧調節において重要な役割を果たします。
| イオン | 細胞外濃度 (mMol/L) | 細胞内濃度 (mMol/L) |
|---|---|---|
| ナトリウム (Na+) | 145 | 12 |
| カリウム (K+) | 4 | 140 |
| マグネシウム (Mg2+) | 1.5 | 0.8 |
| カルシウム (Ca2+) | 1.8 | <0.0002 |
| 塩素 (Cl-) | 116 | 4 |
| リン酸 (HPO4 2-) | 1 | 35 |
細胞内液はカリウムイオンやリン酸イオンを豊富に含む一方、細胞外液はナトリウムイオンや塩素イオンを主成分としています。この組成の違いは、細胞の静止膜電位の形成や、細胞内での酵素活性、シグナル伝達に不可欠です。
よくある質問
細胞内液と細胞外液の主な違いは何ですか?
細胞内液は細胞膜の内側にあり、カリウムイオンやリン酸イオンを多く含みます。一方、細胞外液は細胞の周囲や血管内にあり、ナトリウムイオンや塩素イオンが主成分です。
細胞内液は体重の何パーセントを占めますか?
一般的に体重の約30〜40%を占めるとされています。
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参考文献
- 日本心臓財団「血圧と血中ナトリウム量の関係について教えてください」(2009年4月)
- 獣医学大辞典編集委員会編『明解獣医学辞典』チクサン出版社、1991年