民族・文化
北極圏の先住民族イヌイットの文化と居住地域

カナダ北部やグリーンランド、アラスカなどの極北地域に居住する先住民族イヌイットの歴史、居住地域、言語、生活態様について解説します。
📌 主なポイント
- ✓イヌイットは北極圏および亜北極圏の氷雪地帯に伝統的に居住する先住民族である。
- ✓カナダでは1982年憲法法において先住民族の主要グループの一つとして法的な位置づけが確認されている。
- ✓固有の言語としてエスキモー・アレウト語族に属するイヌクティトゥット語を使用している。
イヌイットは、カナダ北部、アメリカ合衆国アラスカ州、グリーンランド、ロシアのチュクチ自治管区など、北アメリカおよびロシアの北極圏・亜北極圏の氷雪地帯に居住する先住民族の集団である。彼らの話す言語はエスカレウト語族(エスキモー・アレウト語族)に属するイヌイット諸語である。

呼称について
「エスキモー」という呼び名は他称に由来し、歴史的経緯や侮蔑的な意味合いが含まれる場合があることから、カナダなどに居住する人々は「人々」を意味する「イヌイット」を自称している。一方、アラスカからロシア極東にかけて居住する人々の中には、自らをユピクやイヌピアットと称し、「イヌイット」と呼ばれることを好まないグループも存在する。また、グリーンランドのイヌイットはカラーリットとも呼ばれる。
居住地域
カナダのイヌイットは、ヌナブト準州、ケベック州北部のヌナビク、ラブラドルのヌナツィアブト、ノースウエスト準州などの北極海沿岸に暮らしている。カナダ1982年憲法法第35項において、ファースト・ネーションやメティと並び、先住民族の主要グループの一つとして確認されている。アメリカ合衆国のアラスカ州ではイヌピアットが伝統的な地域に居住し、グリーンランドでは西暦1100年までに移動してきたトゥーレ人の子孫が居住を続けている。

生活態様と言語
地球上で最も寒冷な地域において、伝統的にオットセイやセイウチ、クジラなどの肉食を中心とした狩猟生活を行ってきた。現代においては都市化が進み、食生活や衣類などにおいて他の地域の人々と同様の変化が見られる。
言語面ではイヌクティトゥット語が使用されており、表記にはラテン文字のほか、カナダの一部地域ではカナダ先住民文字も併用されている。
よくある質問
イヌイットとはどのような人たちですか?
カナダ北部、アラスカ、グリーンランド、ロシアの北極圏などに居住する先住民族の総称です。
「エスキモー」という呼び名との違いは何ですか?
「エスキモー」は他称であり侮蔑的な意味を含むことがあるため、カナダなどの人々は自称である「イヌイット」を用いています。ただし、アラスカ等の住民にはユピクやイヌピアットを自称しイヌイットと呼ばれないグループもあります。
どのような言語を話しますか?
エスカレウト語族に属するイヌクティトゥット語を話します。地域により方言があり、グリーンランド語とも呼ばれます。
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参考文献
Hessell, Ingo. (2006). Arctic Spirit: The Albrecht Collection of Inuit Art at the Heard Museum. Vancouver: Douglas & McIntyre.