人事管理

一般職(民間企業における雇用区分)

民間企業における雇用形態の一つである「一般職」について、歴史的背景、業務内容の変遷、および現代における位置付けを解説します。

📌 主なポイント

  • 民間企業における一般職は、主に定型的・補助的な業務を担う雇用区分である。
  • 1986年の男女雇用機会均等法施行を契機に、総合職と一般職のコース別管理制度が普及した。
  • 2000年代以降、業務内容の多様化やIT化により、一般職の定義や位置付けは企業ごとに変化している。

一般職とは、日本の民間企業における正社員のコース別管理制度において、主に定型的・補助的な業務を担当する雇用区分を指す。対義語として、基幹業務を担う「総合職」が存在する。なお、国家公務員における「一般職」は、特別職と対置される公務員の身分区分を指す用語であり、民間企業の雇用区分とは定義が異なる。

歴史的背景

民間企業における総合職と一般職の区分は、1986年に施行された男女雇用機会均等法の影響を受けて普及した。同法により性別による差別的取り扱いが禁止されたことを受け、企業は管理職候補としての「総合職」と、補助的業務を担う「一般職」というコースを設けることで、実質的な性別役割分業を維持しようとした経緯がある。当時、一般職は結婚や出産を機に退職することが前提とされるケースが多く、女性が主に配属される傾向にあった。

しかし、1990年代以降、法改正による性別を限定した募集の禁止や、事務作業のIT化、派遣社員への業務移行などが進んだことで、一般職の需要は減少した。これに伴い、多くの企業で一般職を廃止する動きが見られた。

業務内容と変遷

制度導入当初、一般職は定型的な事務作業や補助業務に従事することが主であった。また、転居を伴う異動がないことが一般的であった。しかし、2000年代以降、業務の多様化に伴い、総合職との境界は曖昧になりつつある。現在では、採用地域に限定して業務を行うコースを「一般職」と定義する企業も多く、単に「一般職」という名称のみで業務内容を判断することは困難となっている。

近年の動向

2000年代後半には、働き方の多様化や人材確保の観点から、一度廃止した一般職を再導入する企業が現れた。一方で、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)の導入や、より専門的なスキルを求める人事制度への転換により、再び一般職を廃止し、職務限定社員などへ移行する動きもメガバンクをはじめとする大手企業で見られる。

よくある質問

一般職と総合職の主な違いは何ですか?
一般職は主に定型的・補助的な業務を担当し、転居を伴う異動が限定的であるのに対し、総合職は基幹業務を担い、全国転勤や将来的な管理職候補としての役割が期待される点が異なります。
なぜ一般職を廃止する企業があるのですか?
業務のIT化による定型業務の減少や、人材の流動化、より専門的なスキルを持つ人材の確保を目的として、一般職を廃止し、職務限定社員などの新たな雇用形態へ移行する企業が増えています。

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参考文献

  1. 『伊藤忠と丸紅が「一般職」復活、女子学生の応募殺到』読売新聞、2007年5月28日。
  2. 『揺れ動く一般職・総合職の選択』読売新聞、2007年3月1日。
  3. 『銀行の慢性的人手不足「深刻」 人材確保に一般職廃止が広がる』J-CASTニュース、2007年12月6日。
  4. 『メガバンクからも消えゆく"一般職" 「今さら、という印象。これからは"限定社員"の時代」と識者』キャリコネニュース、2019年11月22日。