暦法
イラン暦の構造と歴史的変遷
イランおよびアフガニスタンで公式に採用されている太陽暦「イラン暦」の構造、歴史的背景、月名について詳しく解説します。
📌 主なポイント
- ✓イラン暦は春分を新年とする太陽暦である。
- ✓紀元には預言者ムハンマドのヒジュラ(西暦622年)を用いる。
- ✓前半の6か月が31日、続く5か月が30日、最後の月が平年29日(閏年30日)で構成される。
イラン暦(イランれき、ペルシア語: سالنمای هجری شمسی)は、イランおよびアフガニスタンを中心にペルシア語圏で使用されている太陽暦である。春分を新年とし、紀元を預言者ムハンマドのヒジュラの年(西暦622年)に置くことから、太陽ヒジュラ暦(Solar Hijri calendar)とも呼ばれる。
暦法と構造
イラン暦は純粋な太陽暦であり、純太陰暦であるイスラム暦とは年数が異なる。各月の日数は、前半の6か月が各31日、それに続く5か月が各30日、最後の1か月は平年が29日、閏年が30日となる。
新年は、太陽が春分点を通過する瞬間を基準として定められる。現行の暦は1925年に制定されたものであり、天文学的計算に基づいて閏年が設定されている。
歴史的背景
ペルシア地域では、古代アケメネス朝時代までバビロニア由来の太陰太陽暦が用いられていたが、その後エジプト由来の太陽暦が伝わった。サーサーン朝期にはゾロアスター教の宗教儀礼と密接に関連し、春分の祭りであるノウルーズが祝われるようになった。
11世紀頃からは、ノウルーズを新年とし、ヒジュラを紀元とする太陽暦が整備され始め、セルジューク朝期には天文学者のウマル・ハイヤームらによって改良が施された。1925年の法制化を経て、現在のイランおよびアフガニスタンの公式暦として定着している。
月名
イラン国内で使われるペルシア語の月名は、ゾロアスター教に由来する名称が採用されている。一方、アフガニスタンではアラビア語に由来する黄道十二宮名が用いられることもある。
- 1月: ファルヴァルディーン(3月21日 - 4月20日)
- 2月: オルディーベヘシュト(4月21日 - 5月21日)
- 3月: ホルダード(5月22日 - 6月21日)
- 4月: ティール(6月22日 - 7月22日)
- 5月: モルダード(7月23日 - 8月22日)
- 6月: シャハリーヴァル(8月23日 - 9月22日)
- 7月: メフル(9月23日 - 10月22日)
- 8月: アーバーン(10月23日 - 11月21日)
- 9月: アーザル(11月22日 - 12月21日)
- 10月: デイ(12月22日 - 1月20日)
- 11月: バフマン(1月21日 - 2月19日)
- 12月: エスファンド(2月20日 - 3月20日)
よくある質問
イラン暦の新年はいつ始まりますか?
イラン暦の新年は春分の瞬間を基準としており、グレゴリオ暦の3月21日前後に該当します。
イラン暦とイスラム暦の違いは何ですか?
イラン暦は太陽暦であり閏月を置かないのに対し、イスラム暦は純太陰暦であるため、紀元が同じでも年数や月の日数計算が異なります。
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参考文献
- 公益財団法人 東洋文庫. “イスラーム地域研究資料参考#暦”. 2022年12月11日閲覧。