日本の法律
医師法(日本)

日本の医師法(昭和23年法律第201号)の概要、医師の義務、罰則、および歴史的背景について解説します。
📌 主なポイント
- ✓医師法は1948年(昭和23年)7月30日に公布され、同年10月27日に施行された。
- ✓医師には応召義務、診断書交付義務、診療録の保存義務などが課されている。
- ✓外国の医師免許のみでは日本国内で医業を行うことは原則としてできないが、災害時や臨床修練などの特例が存在する。
医師法(昭和23年7月30日法律第201号)は、日本における医師の資格、職務、および義務を規定する法律です。厚生労働省が所管し、国民の健康を守るための医療提供体制の根幹をなす法制度の一つです。
歴史的背景
日本における医師に関する法制度は明治時代から整備が進められました。1906年(明治39年)に最初の医師法(明治39年法律第47号)が制定され、その後、1942年(昭和17年)の国民医療法の制定を経て、1948年(昭和23年)に現在の医師法が成立・施行されました。この現行法により、国民医療法は廃止されました。
医師の義務
医師法は、医師が医療行為を行う上で遵守すべき重要な義務を定めています。主な義務には以下が含まれます。
- 応召義務:診療の求めがあった場合に、正当な事由がなければこれを拒んではならないとする義務。
- 診断書の交付義務:患者から診断書や検案書の交付を求められた際、正当な事由なく拒否してはならない義務。
- 無診療治療の禁止:自ら診察せずに治療や処方箋の交付を行うことを禁じる規定。
- 診療録の記載及び保存義務:診療録(カルテ)を正確に記載し、一定期間保存する義務。
- 異状死体の届出義務:診療中の患者が異状死した場合、警察署長に届け出る義務。
外国人医師の取り扱い
原則として、日本の医師免許を有しない者は日本国内で医業を行うことができません。しかし、特定の条件下では例外が認められています。「外国医師等が行う臨床修練に係る医師法第十七条等の特例等に関する法律」に基づき、臨床修練を行うことが可能です。また、大規模災害時には、政府の判断により外国の災害派遣医療チーム(DMAT等)の医療行為が特例として認められる場合があります。例えば、2011年の東日本大震災の際には、厚生労働省より被災都道府県に対し、医師法の例外措置として受け入れを許可する通知が出されました。
関連する法的事案
医療行為の範囲については、しばしば議論の対象となります。タトゥー施術を巡る訴訟では、彫師が医師法違反に問われましたが、最高裁は「社会通念に照らして、医療及び保健指導に属する行為であるとは認め難く、医行為には当たらない」として無罪判決を下しました。

よくある質問
医師法における「応召義務」とは何ですか?
医師が診療の求めを受けた際、正当な事由がある場合を除いて、診療を拒んではならないという義務のことです。
外国の医師免許があれば日本で働けますか?
原則として日本の医師免許が必要です。ただし、臨床修練のための特例や、災害時の緊急的な医療活動など、法律で定められた例外的なケースに限って医療行為が認められる場合があります。
タトゥーの施術は医師法違反になりますか?
最高裁判所の判例により、タトゥー施術は医療及び保健指導に属する行為とは認められず、医師法上の「医行為」には当たらないと判断されています。
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医療法医師厚生労働省日本医師会
参考文献
- 医師法(昭和23年7月30日法律第201号) - 国立国会図書館 日本法令索引
- 厚生労働省:平成23年(2011年) 東北地方太平洋沖地震の被害状況及び対応について(第16報)
- 日本経済新聞:海外医療チーム、政府が受け入れ 例外措置を決定(2011年3月16日)