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ジャック・シャルル:フランスの物理学者と水素気球のパイオニア

ジャック・シャルル:フランスの物理学者と水素気球のパイオニア
フランスの物理学者・発明家であるジャック・シャルルの生涯、世界初の水素気球飛行の成功、および気体の体積と温度の関係を示すシャルルの法則について解説します。

📌 主なポイント

  • ジャック・シャルルは1746年11月12日にフランスのボージャンシーで生まれた。
  • 1783年8月27日、ロベール兄弟と共に世界初の水素気球の無人飛行試験を行った。
  • 1783年12月1日、ニコラ=ルイ・ロベールと共に世界初の水素気球による有人飛行を成功させた。
  • 気体の体積と温度の関係を示す「シャルルの法則」は、彼の未公表の実験結果をもとに1802年にゲイ=リュサックが定式化したものである。

ジャック・アレクサンドル・セザール・シャルル(Jacques Alexandre César Charles, 1746年11月12日 - 1823年4月7日)は、フランスの発明家、物理学者、数学者、気球乗りである。1802年にジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックが定式化した「シャルルの法則」の基となる業績を残したほか、世界で初めて水素を詰めた気球の飛行を成功させた人物として知られている。

生涯と経歴

フランス王国サントル地域圏ロワレ県のボージャンシーに生まれた。科学者として活動する傍ら、1793年にはフランス科学アカデミーの会員に選出され、その後フランス国立工芸院の物理学教授を務めた。私生活では、自身より37歳年下のジュリー・フランソワーズ・ブショー・デ・エレット(Julie Françoise Bouchaud des Hérettes)と結婚したことでも知られている。1823年にパリで死去した。

ジャック・シャルルの肖像画
ジャック・シャルルの肖像画

水素気球の開発と飛行

世界初の水素気球の打ち上げ

ロバート・ボイルが発表した法則や、ヘンリー・キャヴェンディッシュらの研究成果を学んだシャルルは、気球の揚力として水素が適していると考えた。彼は乗り物の設計を行い、ロベール兄弟(ニコラ=ルイ・ロベールら)に製作を依頼した。軽くてガスが漏れない気球を作るため、ゴムをテレピン油に溶かして絹のシートに塗り合わせる製法が採られた。

1783年8月27日、パリのシャン・ド・マルス公園において、シャルルとロベール兄弟は世界初となる水素入り気球の飛行試験を行った。この気球は無人で飛行し、21キロメートル離れたゴネスに着陸した。

ゴネスの村人たちが気球を恐れ、ジャック・シャルルとロベール兄弟が作った気球を襲撃する様子
ゴネスの村人たちが気球を恐れ、ジャック・シャルルとロベール兄弟が作った気球を襲撃する様子

世界初の有人気球飛行

1783年12月1日、パリのテュイルリー宮殿において、シャルルとニコラ=ルイ・ロベールは新たな水素気球による世界初の有人飛行に成功した。モンゴルフィエ兄弟による熱気球の有人飛行成功から約10日後のことである。

気嚢には水素放出用バルブや網が備えられ、人間が乗り込むバスケットが吊り下げられた。高度調整には砂を詰めたバラスト袋が用いられた。約2時間5分で36キロメートルを飛行し、日没ごろにネル=ラ=ヴァレに着陸した。

ジャック・シャルルとニコラ=ルイ・ロベールの1783年12月1日の初飛行の様子
ジャック・シャルルとニコラ=ルイ・ロベールの1783年12月1日の初飛行の様子を描いた同時代のイラスト。

着陸後、シャルルは単独で再び気球に搭乗して再浮上した。気球は急上昇して高度約3,000メートルに達し、没したはずの太陽を再び目撃したという。耳の痛みを覚えたためバルブを操作してガスを放出し、安全に着陸した。水素気球は彼の栄誉を称えて「シャルリエール(Charlière)」と呼ばれるようになった。

飛行船への発展とその後

シャルルとロベール兄弟は、ジャン=バティスト・ムーニエが提案した細長い形状の気球や操縦機構を備えた飛行船の原形にも関与した。1784年7月15日などの実験飛行が行われたが、推進機構や舵の運用には困難が伴った。水素気球はその効率の高さから熱気球に取って代わっていったが、のちに引火爆発の危険性からヘリウムを使用する気球へと移行していった。

ムーニエの飛行船
ムーニエの飛行船

シャルルの法則

シャルルの法則は、気体を熱したときの体積の膨張に関する法則である。1787年頃、シャルルは複数の風船に異なる気体を詰め、温度を上げて同じ大きさに膨らむことを確かめる実験を行った。1802年、ジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックがこの未公表の実験成果を参照して論文を発表し、定圧下において理想気体の体積が絶対温度に比例するという関係を定式化した。これにちなんで「シャルルの法則」と名付けられた。

主な発明と業績

気球の運用や科学実験の分野で以下のような改良や発明を行った。

  • 気球からガスを放出するバルブの考案
  • 液体比重計(浮秤)の開発
  • 反射式角度計の改良
  • ヘリオスタットや気量計の改良

よくある質問

ジャック・シャルルとはどのような人物ですか?
18世紀から19世紀にかけて活動したフランスの物理学者、発明家、数学者、気球乗りです。世界初の水素気球の飛行成功や、シャルルの法則の基礎となる実験を行ったことで知られています。
シャルルの法則とは何ですか?
圧力が一定のとき、一定質量の気体の体積が絶対温度に比例して膨張するという法則です。1802年にジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックが発表し、シャルルの未公表の実験成果に基づいて名付けられました。
世界初の水素気球はいつ飛ばされましたか?
1783年8月27日に、パリのシャン・ド・マルス公園で無人の水素気球が飛ばされました。

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参考文献

  • Gay-Lussac, J. L. (1802), “Recherches sur la dilatation des gaz et des vapeurs”, Annales de chimie 43: 137.
  • Federation Aeronautique Internationale, Ballooning Commission, Hall of Fame, Robert Brothers.
  • Fiddlers Green, History of Ballooning, Jacques Charles.
  • Encyclopedia Britannica - Balloon Flight.