宇宙開発・海洋観測

ジェイソン1海洋観測衛星の概要と地球科学への貢献

NASAとCNESによる海洋観測衛星「ジェイソン1(Jason-1)」のミッション概要、搭載された観測測器、地球科学への応用および運用終了について解説します。

📌 主なポイント

  • ジェイソン1は、NASAとCNESによる共同海洋観測衛星であり、TOPEX/ポセイドンの後継機である。
  • 2001年12月7日にデルタIIロケットによって打ち上げられ、高度1,336kmの軌道に投入された。
  • 2013年6月21日に地上局との交信が途絶え、同年7月1日に運用を終了した。

ジェイソン1Jason-1)は、アメリカ航空宇宙局(NASA)とフランス国立宇宙研究センター(CNES)が共同で実施した海洋観測マッピングミッション、およびその人工衛星である。海面の高度(海面高度)を精密に計測することを目的としており、先代の海洋観測衛星である「TOPEX/ポセイドン」の後継機として位置づけられている。衛星の名称はギリシア神話に登場する英雄イアソンにちなんで名付けられた。

打ち上げと運用経緯

ジェイソン1は、2001年12月7日にデルタIIロケットによって打ち上げられた。到達した軌道は高度1,336km、傾斜角66度、周回周期112分であり、それまでTOPEX/ポセイドンが観測していた軌道と同一であった。初期段階では2つの衛星によるクロスキャリブレーション(相互校正)が実施され、その後TOPEX/ポセイドンはジェイソン1の軌道の中間に移動した。これにより、両者は同一の10日間の観測周期を維持しながら共同観測を行った。

2013年6月21日、地上局との交信が途絶え、復旧不可能な故障が発生したと判断された。予備系の送信機がすでに2005年9月に故障していたこともあり、同年7月1日に衛星を安全な状態へ移行させるコマンドが送信され、正式に運用が終了した。

搭載された測器

ジェイソン1には、フランスおよびアメリカの機関によって開発された複数の高精度な測器が搭載された。

  • Poseidon-2(CNES提供):CバンドおよびKuバンドを用いるレーダ高度計であり、衛星と海面間の距離を測定する。
  • DORIS(CNES提供):軌道追跡および電離層の影響を補正するためのシステム。
  • Jason Microwave Radiometer / JMR(NASA提供):水蒸気量を測定し、電波遅延の補正に用いられるマイクロ波放射計。
  • Laser Retroreflector Array / LRA(NASA提供):衛星の軌道および高度情報を正確に補正するためのレーザー反射鏡。
  • GPSレシーバー(NASA提供):GPS衛星および地上設備からの信号を受信し、軌道情報の精密な補正に寄与する。

地球科学への応用

レーダ高度計から得られる海面高度のデータは、海洋物理学や地球科学の発展に大きく寄与した。平均的な海面高度は海面下の地形の影響を強く受けるため、得られたデータから海底山脈などの地形分布を把握することが可能となった。また、地衡流の関係を利用した海面流速データや波高の計測に加え、スマトラ島沖地震における津波の伝播をとらえていたことなども報告されている。

後継ミッション

ジェイソン1の後継として、NASAとCNESの共同プロジェクトは継続された。2008年6月20日には「Jason-2/OSTM」が打ち上げられ、ジェイソン1との共同観測が実施された。

よくある質問

ジェイソン1の主な目的は何ですか?
海面の高さを精密に計測し、海洋の循環や海底地形、海洋物理学に関するデータを収集することです。
ジェイソン1はいつ打ち上げられましたか?
2001年12月7日にデルタIIロケットによって打ち上げられました。
ジェイソン1の運用はどのように終了しましたか?
2013年6月21日に地上局との交信が途絶え、復旧の見込みがないことから、同年7月1日に安全化コマンドが送信されて運用が終了しました。

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参考文献

  • “Long-Running NASA/CNES Ocean Satellite Takes Final Bow”. NASA. 2013年7月3日.
  • “NASA-CNES Move Forward with Global Water and Ocean Surface Mission”. NASA. 2014年5月2日.