ジャン・ゴットマン:近代地理学とメガロポリス概念の構築者
📌 主なポイント
- ✓ジャン・ゴットマンは1915年10月10日にウクライナのハリコフで生まれた。
- ✓アメリカ大西洋岸の巨大都市群を分析し、「メガロポリス」の概念を提唱した。
- ✓1967年からオックスフォード大学の地理学部教授を務めた。
ジャン・ゴットマン(Jean Gottmann, 1915年10月10日 - 1994年2月28日)は、ウクライナ出身のフランスの地理学者である。現代の都市研究において広く知られる「メガロポリス」の概念を提唱したことで知られている。
生涯と経歴
ゴットマンは1915年にウクライナのハリコフで生まれた。幼少期にロシア革命の勃発に伴い両親を失い、伯父の支援を受けてフランス・パリへと渡った。その後、ソルボンヌ大学に進学して地理学の研鑽を積んだ。
第二次世界大戦の激化とユダヤ系としての背景から、フランスを離れてアメリカへ移住し、プリンストン高等研究所などを経てジョンズ・ホプキンス大学の準教授に就任した。戦後は国連事務局の調査部長やフランス政府の国民経済省の委員を務め、パリとニューヨークを往復しながら都市構造に関する研究を進めた。1948年にはパリ大学政治学研究所の教授に就任している。
1950年代以降、自然、文化、交通、そして都市的機能が空間と時間の中で交錯する巨大な地理的空間を見出し、これを「メガロポリス」と命名した。1961年にはアメリカ大西洋岸におけるメガロポリスの実態をまとめた著作を発表し、世界的な注目を集めた。
学術的業績と研究
ゴットマンの業績は単なる地理的単位の発見に留まらず、その空間における機能、土地利用、産業形態、生産機能、さらには歴史的な都市の変遷に至るまで多角的に論じている点に特徴がある。1967年にはイギリスのオックスフォード大学地理学部教授に就任し、晩年まで政治地理学や都市地理学の研究を継続した。
日本との関わり
ゴットマンは1960年代以降も日本に関心を寄せ、数度にわたって来日している。伊勢神宮を参拝した際には五十鈴川の流れを目の当たりにし、「道」と「水」が持つ精神と自然の共棲・循環の地理学的意味を見出したと語っている。また、生涯最後の講演は1993年11月11日に東京の第一生命館で行われた。