気象庁マグニチュードの定義と計測手法

📌 主なポイント
- ✓気象庁マグニチュード(Mj)は、日本の気象庁が定める地震のエネルギー量を表す指標値である。
- ✓変位マグニチュードと速度マグニチュードの2つの手法を組み合わせて計測される。
- ✓M8を超えるような巨大地震では、値が過小に測定される(飽和する)傾向がある。
- ✓2003年9月に算出方法の大きな改訂が行われ、過去の地震のマグニチュードも見直された。
気象庁マグニチュード(きしょうちょうマグニチュード、Mj または MJMA)は、日本の気象庁が定める地震の規模(エネルギー量)を表す指標値である。日本国内における公式の地震活動の報告や記録において広く利用されており、日本国内で単に「マグニチュード(M)」と報じられる数値は、一般的にこの気象庁マグニチュードを指す。

概要と特徴
気象庁マグニチュードは、1920年代まで遡る過去の地震記録に対しても一貫した手法で再決定されており、国際的な指標であるモーメント・マグニチュードとも概ね一致する特性を持つ。地震波の観測データから直接算出されるため、比較的早期に結果が算出される速報性に優れている。

一方で、マグニチュードがM8を超えるような巨大地震においては、地盤による地震波エネルギーの吸収や観測値の頭打ち(飽和)が発生するため、モーメント・マグニチュードと比較して小さな値として計測される傾向にある。そのため、規模の大きな地震に対しては、気象庁マグニチュードとモーメント・マグニチュードが併用される。

計測方法
気象庁マグニチュードの計測では、地震計で観測された地震波の「変位」または「地面が動く速度」が用いられる。

- 速度マグニチュード(Mv): 小規模な地震の観測において、高周波成分が強調されノイズの影響を受けにくい、地面の振動速度を基に算出する手法。
- 変位マグニチュード(Md): 中規模以上の地震において、低周波成分が強調され飽和上限の高い変位データを基に算出する手法。

通常はおおよそM3を閾値として両手法が切り替えられるが、閾値の前後で値が連続するように実験式や経験式が設計されている。
歴史と改訂
1970年代後半に高感度地震計が整備されたことに伴い、小規模地震の観測には速度マグニチュードが導入された。しかし当初は実験式を定めるためのデータが十分に蓄積されていなかった。その後、データの蓄積が進み、変位マグニチュードとモーメント・マグニチュードとの間に系統的な差異が認識されたことなどから、気象庁は2001年4月23日および2003年9月25日に計測手法や実験式の見直しと改訂を実施し、過去の地震データについてもマグニチュードの再評価を行った。
よくある質問
気象庁マグニチュードとは何ですか?
なぜM8以上の地震で過小評価されるのですか?
変位マグニチュードと速度マグニチュードの違いは何ですか?
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参考文献
- 気象庁「気象庁マグニチュード算出方法の改訂について」PDF
- 地震調査研究推進本部「2001年4月の地震活動の評価」
- 気象庁「緊急地震速報の概要や処理手法に関する技術적参考資料」