気象学
気象庁が命名した自然災害の一覧と命名基準
気象庁が顕著な被害をもたらした自然現象に対して定める名称の基準と、これまでに命名された気象・地震・火山現象の概要を解説します。
📌 主なポイント
- ✓気象庁は防災活動の円滑化と教訓の伝承を目的として自然現象に名称を定めている。
- ✓2018年の基準改定により「相当の人的被害」が命名の判断基準に正式に加わった。
- ✓名称は原則として「元号年+地域名+現象名」の形式で決定される。
気象庁は、日本国内で発生した顕著な被害をもたらす自然現象に対し、特定の名称を定めることがあります。この命名は、防災関係機関による応急・復旧活動の円滑化を図るとともに、災害の経験や教訓を後世に伝承することを目的としています。
命名の基準
気象庁による命名基準は、2004年に初めて公表され、その後改定を経て運用されています。2018年7月の改定では、従来の家屋被害や現象の特異性に加え、「相当の人的被害」が命名の判断基準として明文化されました。
気象現象(台風を除く)
以下のいずれかに該当する場合に命名されます。
- 損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害
- 相当の人的被害
- 特異な気象現象による被害
台風
顕著な被害が発生し、かつ後世への伝承の観点から特に名称を定める必要があると認められる場合に命名されます。
地震現象
地震の規模が大きい場合、あるいは全壊家屋100棟程度以上の家屋被害や相当の人的被害が発生した場合、または群発地震で被害が大きかった場合に命名されます。
火山現象
相当の人的被害が発生した場合や、長期間にわたる避難生活等の影響があった場合に命名されます。
名称の付け方
名称は原則として「元号年+地域名+現象名」の形式がとられます。ただし、歴史的な経緯や災害の性質に応じて、地域名や河川名が選定されます。また、気象庁の命名とは別に、政府が閣議等を通じて「阪神・淡路大震災」や「東日本大震災」といった災害名称を定めるケースも存在します。
よくある質問
なぜ気象庁は自然現象に名称を付けるのですか?
防災関係機関による災害発生後の応急・復旧活動を円滑に進めるため、および当該災害の経験や教訓を後世に伝承することを目的としています。
すべての災害に名称が付けられるわけではないのですか?
はい。家屋被害の規模や人的被害の程度など、気象庁が定めた一定の基準を満たし、かつ後世への伝承の必要性が認められた顕著な災害のみが命名されます。
政府が定める災害名称と気象庁の命名の違いは何ですか?
気象庁の命名は自然現象そのものに対するものですが、政府が定める名称は、地震などの自然現象によって引き起こされた「災害」全体を指すものであり、閣議了解などを経て決定されます。
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参考文献
- 気象庁「顕著な災害を起こした自然現象の名称について」(2018年7月9日)
- 気象庁「顕著な災害を起こした自然現象の命名についての考え方」(2004年3月15日)
- 毎日新聞「気象庁 「災害」人的被害も加味 命名ルール変更」(2018年7月3日)