科学史・物理学
ヨハネス・ファン・デル・ワールス:熱力学と状態方程式の物理学者

分子の大きさと分子間力を考慮した状態方程式を発見し、1910年にノーベル物理学賞を受賞したオランダの物理学者ヨハネス・ファン・デル・ワールスの生涯と業績を解説。
📌 主なポイント
- ✓1837年11月23日にオランダのライデンで生まれた。
- ✓分子の大きさと分子間力を取り入れた実在気体の状態方程式を導き出した。
- ✓1910年にノーベル物理学賞を受賞した。
ヨハネス・ディーデリク・ファン・デル・ワールス(Johannes Diderik van der Waals, 1837年11月23日 - 1923年3月8日)は、オランダの物理学者である。分子の大きさと分子間力を考慮した気体の状態方程式を発見した功績により、1910年にオランダ人として3人目となるノーベル物理学賞を受賞した。

生涯と経歴
1837年11月23日、オランダのライデンに生まれた。ほとんど独学で科学知識を身に付けた後、学校の教員となった。ラテン語やギリシア語の試験資格がないという制約があったものの、ライデン大学で聴講生として学び続けた。その後、法律の改正によって古典学の試験が免除されたことで同大学への正式な入学が認められた。
1873年、『液体と気体の連続性について(On the Continuity of the Liquid and Gaseous States)』と題する博士論文を発表した。この論文はジェームズ・クラーク・マクスウェルから高く評価された。1876年には新設されたアムステルダム大学の物理学教授に任命され、引退まで同大学で教育と研究に尽力した。
学術的業績
ファン・デル・ワールスは、ルドルフ・クラウジウスの分子運動論に関する論文や、トーマス・アンドリューズによる二酸化炭素の臨界温度に関する実験に触発され、気体と液体の性質を統一的に説明する研究を進めた。

当時の理想気体の状態方程式に対し、分子自身の体積と分子間の引力(ファンデルワールス力)を表す補正項(ファンデルワールス定数)を導入することで、気体と液体の両方を連続的に扱うことのできる新しい状態方程式を導き出した。この普遍的な方程式の発見は、後に水素やヘリウムといった気体の液化や低温物理学の発展に向けた基礎となった。

主な用語
- ファンデルワールス力:分子間に働く弱い相互作用。
- ファンデルワールスの状態方程式:分子の大きさや引力を加味した実在気体の状態方程式。
- ファンデルワールス半径:原子の接近可能な最小距離を表す指標。
よくある質問
ヨハネス・ファン・デル・ワールスはどのような功績でノーベル賞を受賞しましたか?
気体および液体の状態方程式に関する研究において、分子の大きさと分子間力を考慮した新しい方程式を発見した功績により、1910年のノーベル物理学賞を受賞しました。
ファンデルワールスの状態方程式の特徴は何ですか?
理想気体の法則とは異なり、分子自身の体積と分子間力を補正項として導入することで、気体と液体を区別なく連続的なものとして扱える点に特徴があります。
ファン・デル・ワールスの研究はどのような分野の発展に寄与しましたか?
彼の導き出した状態方程式の普遍性により、当時未液化であった水素やヘリウムの液化が可能となり、低温物理学の発展に大きく貢献しました。
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参考文献
Johannes Diderik van der Waals - Biographical (Nobel Prize Official Website)