歴史・政治

朝鮮民主主義人民共和国の紀年法「主体年号」の概要と変遷

朝鮮民主主義人民共和国の紀年法「主体年号」の概要と変遷
朝鮮民主主義人民共和国で導入された独自の紀年法である主体年号の起源、採用の経緯、および近年の運用状況について解説します。

📌 主なポイント

  • 主体年号は金日成の生誕年である1912年を元年とする紀年法である。
  • 1997年7月に公表され、同年9月9日から公式に使用が開始された。
  • 暦法としてグレゴリオ暦を採用しており、西暦から1911を減じた値となる。
  • 2024年10月中旬以降、使用が中止され西暦表記のみに移行したと報じられている。

主体年号(しゅたいねんごう、チュチェねんごう、朝: 주체년호)とは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)において採用されていた独自の紀年法である。最高指導者であった金日成の生誕年である1912年を元年とし、暦法にはグレゴリオ暦を採用している。

導入の経緯と運用

主体年号は、1988年に天道教青友党の党首であった崔徳新が著書『金日成、彼は天主様』の中で初めて提案したことに由来する。その後、金日成の3年忌の翌日にあたる1997年7月9日の重大放送で新たな紀年法として公表され、同年9月9日の建国記念日から公式に使用が開始された。

北朝鮮国内では、公式行事やメディア、カレンダーなどの公的な場で西暦と併用するかたちで用いられてきた。計算方法は西暦から1911を減じた値となり、例えば金日成生誕100周年にあたる2012年は「主体101年」と表記された。

北朝鮮で発行された2010年(主体99年)9月のカレンダー。9の数字の下に主体暦と西暦が併記されている
北朝鮮で発行された2010年(主体99年)9月のカレンダー。9の数字の下に「主体99(2010)」と主体暦と西暦が併記されている。

使用の中止

2024年10月中旬、北朝鮮国内の報道や公式文書において主体年号の使用を取りやめ、西暦のみの表記へと移行したことが報じられた。同年10月12日付の労働新聞や、金与正による談話などにおいて西暦表記のみが使われていることが確認されている。

よくある質問

主体年号の元年は何年ですか?
金日成が生まれた1912年が元年とされています。
主体年号はいつから使われましたか?
1997年9月9日の建国記念日から公式に使用が開始されました。
主体年号は現在も使用されていますか?
2024年10月中旬以降、使用が中止され西暦表記のみに移行したと報じられています。

関連記事

主体思想金日成労働新聞 (朝鮮労働党)平壌時間

参考文献

産経新聞 「北朝鮮、金日成由来の「主体年号」使用中止か 金正恩氏、祖父の威光から脱却し自身偶像化」 2024年10月17日閲覧。
日本ビジネスプレス 「2022年は「主体」何年?北朝鮮に年号が導入されたきっかけ」 2022年10月5日。