ユリウス通日:天文学と年代学における連続日数の数え方

📌 主なポイント
- ✓ユリウス通日は、ユリウス暦紀元前4713年1月1日の世界時正午を元期(0日目)とする。
- ✓天体観測の伝統を引き継ぎ、日数の起点は深夜ではなく世界時の正午に設定されている。
- ✓修正ユリウス日(MJD)は、ユリウス通日から2,400,000.5を引いたもので、1858年11月17日正子を元期とする。
ユリウス通日(ユリウスつうじつ、Julian Day、JD)とは、ユリウス暦紀元前4713年1月1日(先発グレゴリオ暦では紀元前4714年11月24日、西暦-4712年1月1日)の世界時正午からの経過日数を表す数値である。単にユリウス日とも呼ばれる。
歴史と考案の背景
ユリウス通日は、1583年にフランスの学者ジョゼフ・ジュスト・スカリジェによって考案された。1582年のグレゴリオ暦導入に伴う暦の換算や日数計算の複雑さを解消することが目的であった。スカリジェが基準とした紀元前4713年は、太陽章(28年)、太陰章(19年)、インディクティオ(15年)という3つの周期の第1年目が重なる「ユリウス周期」(7980年)の初年に当たる。
名称の由来については、スカリジェの父であるユリウス・カエサル・スカリジェにちなむ説と、ユリウス暦の由来であるガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)にちなむ説が存在する。国立天文台などは後者の説を採用している。その後、1849年に天文学者ジョン・ハーシェルが著書『Outlines of Astronomy』の中で、天文学的な日数や時間の計算にユリウス通日を利用する方法を提唱し、広く普及した。
特徴と起点
ユリウス通日は、天体観測の伝統に従い、世界時の正午を1日の起点(0日目)としている。これは、夜間に観測を行う天文学者にとって、夜の途中で日付が変わる不便さを避けるためである。この慣習は古代ローマのプトレマイオスに遡る「天文時」の伝統に基づいている。
日数の表現にあたっては、時刻を小数で表す。例えば、整数部分は正午に増加し、正午からの経過時間が小数として付加される。二時点間の日数や時間を正確かつ容易に計算できるため、天文学や年代学において広く利用されている。
主な変種
ユリウス通日には、用途に応じていくつかの変種が存在する。
- Julian Day Number (JDN):日を整数で数える値であり、常用時の正子から正子までの日の正午におけるユリウス通日に等しい。
- 修正ユリウス日(Modified Julian Date:MJD):ユリウス通日から2,400,000.5を差し引いた数値である。1858年11月17日正子を元期とし、桁数を減らす目的で1957年にスミソニアン天体物理観測所によって考案された。
- リリウス日(LD):グレゴリオ暦の運用開始日である1582年10月15日を第1日とした整数値の通算日数である。
- Chronological Julian Day(CJD):ユリウス通日に0.5を加え、タイムゾーンを考慮して地方時の正子に整数部分が増加するように調整した値である。
よくある質問
ユリウス通日の起点が正午である理由は何ですか?
修正ユリウス日(MJD)とは何ですか?
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参考文献
国立天文台 暦象年表「ユリウス日」