資格・植物
樹木医制度と資格業務の概要
日本の民間資格である樹木医の歴史、資格認定要件、業務内容、および日本緑化センターによる管理について解説します。
📌 主なポイント
- ✓樹木医制度は1991年(平成3年)4月に林野庁の国庫補助事業として始まった。
- ✓2001年度以降は一般財団法人日本緑化センターが資格認定事業を引き継いでいる。
- ✓第1次審査の受験に必要な業務経歴年数は、2023年度から従来の7年から5年に短縮された。
樹木医(じゅもくい)は、街路樹や天然記念物などの文化財樹木を対象に、保全、診断、および治療を行うための日本の資格である。
制度の沿革
樹木医認定制度は、1991年(平成3年)4月に林野庁の国庫補助事業である「ふるさとの樹保全対策事業」の一環として開始された。同年11月に最初の資格取得者が誕生して以降、長年にわたり農林水産大臣が認定する公的資格として運用されていた。
しかし、1996年(平成8年)9月に閣議決定された政府の規制緩和方針を受け、公益法人が行う法令に基づかない資格審査認定などの事業については、国が推薦や認定に関与しないこととされた。これに伴い、2001年度以降は一般財団法人日本緑化センターが事業を引き継いで実施している。
現在では「樹木医」の名称は一般財団法人日本緑化センターによって商標登録されており、資格審査の合格者のみが使用できる事実上の名称独占資格となっている。
資格認定の要件と審査
資格を取得するためには、一般財団法人日本緑化センターが実施する段階的な審査に合格する必要がある。
- 第1次審査:樹木の調査、研究、診断、治療、保護育成管理、あるいは公園緑地の計画設計などの業務経歴が一定年以上ある者を対象とした筆記試験および業績審査が行われる。なお、応募資格に必要な業務経験年数は従来7年とされていたが、2023年度(令和5年度)から5年に短縮された。また、樹木医補の資格を有する者も受験資格の対象となる。
- 第2次審査:第1次審査合格者を対象に、約2週間の研修(講義および実習)が実施される。期間中には筆記試験、樹種識別の適性試験、および最終面接試験が行われ、すべての審査に合格した者が登録申請を行えるようになる。
資格の維持には、5年ごとの登録更新が義務付けられている。
業務内容と活動
樹木医の専門知識を持つ個人は、造園業、研究職、コンサルタントなど多様な分野で活動している。主な業務には、国や県の天然記念物、保存樹などの診断・治療、街路樹の倒木危険度評価などが含まれる。官公庁や地方公共団体が発注する文化財樹木の再生事業などでは、入札条件として樹木医の関与が指定されることが多い。
また、合格者の多くは一般社団法人日本樹木医会に加入しており、都道府県支部ごとに技術的な研修や情報交換が行われている。関連する学術団体として樹木医学会が存在する。
よくある質問
樹木医の資格は現在どのような機関が運営していますか?
一般財団法人日本緑化センターが運営および資格審査を行っています。
樹木医の受験に必要な業務経歴は何年ですか?
2023年度以降は5年以上の業務経歴が必要とされています。
資格の有効期限はありますか?
樹木医には5年ごとの登録更新が義務付けられています。
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日本緑化センター日本樹木医会樹木医学会植物病理学
参考文献
立花 登 (2010年12月) “樹木医制度20年の歩み : これからの樹木医に求められるもの” (pdf). (一財)日本緑化センター. / 財団法人日本緑化センター 「樹木医制度」関連資料 / 内閣府 公益法人information