食品産業
純氷の概要と製造技術

純氷の定義、製造工程、歴史、および業務用氷としての特性について解説します。衛生的に管理された環境で長時間かけて凍らせる純氷の特徴を詳述します。
📌 主なポイント
- ✓純氷はマイナス10度前後で48時間以上かけて凍らせることで、高い透明度と硬度を実現している。
- ✓製造にはアイス缶方式が用いられ、1本の氷柱の重量は約135kg(約36貫匁)である。
- ✓食品衛生法に基づき、都道府県知事の許可を受けた製氷工場で製造される。
純氷(じゅんぴょう)とは、衛生的に管理された製氷工場において、飲料水を原料として製造される飲食用途の氷を指します。一般的にアイス缶方式を用い、マイナス10度前後の環境下で48時間以上という長時間をかけて凍結させるのが特徴です。この製法により、不純物が極限まで取り除かれた、透明度が高く溶けにくい氷が生成されます。

製造工程
純氷の製造には厳格な工程管理が求められます。まず原水に対して活性炭濾過や逆浸透膜(RO)処理を行い、カルキや臭気、微細な不純物を除去します。その後、アイス缶に注水し、マイナス10度に保たれたブライン(塩化カルシウム水溶液)のプールに浸漬します。製氷中には圧縮空気を送り込んで攪拌することで、水中に残留する空気や不純物を放出し、純粋な水分子のみをゆっくりと結晶化させます。この工程を繰り返すことで、中心部まで硬く濃密な氷が形成されます。

歴史的背景
日本における機械製氷の歴史は、明治時代に遡ります。1879年(明治12年)に横浜で設立されたジャパン・アイス・カンパニーが国内初の機械製氷会社とされ、その後、東京製氷会社などが設立されました。当初は天然氷との市場競争がありましたが、明治時代後期以降、機械製氷が主流となりました。現代の「純氷」という名称は、自動製氷機による氷や家庭用冷蔵庫の氷と区別するために、製氷業界で広く用いられるようになった呼称です。

用途と加工
純氷は、その透明度と溶けにくさから、高級ホテルやバーでのカクテル用、寿司店での鮮度保持、氷彫刻など幅広い用途で使用されます。製造された約135kgの氷柱は、用途に応じてブロック氷、かち割り氷、ボールアイス(丸氷)などに加工されます。


よくある質問
純氷と家庭用冷蔵庫の氷は何が違いますか?
純氷は長時間かけてゆっくり凍結させるため、空気や不純物が少なく、結晶が大きいため透明で溶けにくいのが特徴です。一方、家庭用は急速冷凍するため、空気が残り白く濁りやすくなります。
なぜ純氷は135kgのサイズで作られるのですか?
かつて機械製氷が輸入された際のアイス缶の規格が約300ポンド(約136kg)であり、これが日本で約36貫匁として定着し、現在もその規格が引き継がれているためです。
純氷はどこで購入できますか?
主に町の氷商(氷店)や製氷工場の直販で購入可能です。また、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも取り扱われています。
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製氷機食品衛生法冷凍技術氷彫刻
参考文献
- 今関靖將「実践氷業学」今関冷機製氷販売、2002
- 「日本冷凍新聞五十年史」日本冷凍新聞社、2002
- 田口哲也「氷の文化史」冷凍食品新聞社、1994
- 全国氷雪販売業生活衛生同業組合連合会「純氷」2001