ユダヤ教神秘主義思想「カバラ」の歴史と体系

📌 主なポイント
- ✓カバラはユダヤ教の伝統に基づいた創造論や終末論を伴う神秘主義思想である。
- ✓名称はヘブライ語の「受け入れる」「伝承する」を意味する動詞に由来する。
- ✓世界の創造は神「アイン・ソフ」からの聖性の流出過程とされ、「生命の樹(セフィロト)」の象徴図で示される。
- ✓ユダヤカバラのほか、キリスト教的な解釈を加えたクリスチャンカバラやヘルメティックカバラに分類される。
カバラ(ヘブライ語: קַבָּלָה qabbalah、カバラー)は、ユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義思想である。ユダヤのラビたちによる神智学の一種であり、中世後期やルネサンス期にはキリスト教の学者たちにも影響を与えた。ヘブライ語の動詞「キッベール(受け入れる、伝承する)」に由来し、個人が独自に体得した神秘思想というよりも、神から伝授された知恵や師から弟子へ受け継がれる伝承を意味している。
歴史的背景
伝説においては、アブラハムがメルキゼデクから伝授された天界の秘密であるとも、モーセが律法(トーラー)に記し切れなかった部分を口伝として後世に伝えたものであるともいわれる。ユダヤ教においては、タナハと呼ばれる「書かれたトーラー」に加え、「口伝のトーラー(口伝律法)」を含めてトーラーとみなす伝統がある。歴史的には3世紀から6世紀頃に萌芽が見られ、中世を経て16世紀頃にユダヤカバラから派生したクリスチャンカバラが成熟し、ほぼ現在の体系が完成したとされる。

思想と宇宙観
カバラでは、世界の創造を神「アイン・ソフ」からの聖性の10段階にわたる流出の過程と考え、その聖性の最終的な形が物質世界であると解釈する。この過程は10個の「球」(セフィラ)と22本の「小径」(パス)から構成される「生命の樹(セフィロト)」と呼ばれる象徴図で示される。

また、聖書を神秘主義的に解釈する際、ゲマトリアやノタリコン、テムラーといった暗号解読法が用いられることがあり、これらが後に世俗化して数秘術のルーツの一つとなったともいわれている。
分類
カバラは大きくユダヤカバラと非ユダヤカバラに大別される。非ユダヤカバラはさらに、キリスト教の観点から解釈されたクリスチャンカバラや、近代西洋魔術の中で重視されたヘルメティックカバラ(魔術カバラ)に分かれる。ユダヤ教の正統な伝統においては、カバラは適切な師の下で厳格な学習を経たうえで学ぶべき深い秘儀とされている。
主要な文献
- ゾーハル
- 形成の書
- バーヒール
よくある質問
カバラとは何ですか?
生命の樹とは何ですか?
カバラの主な分類は何ですか?
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参考文献
- ユダヤ教においては、カバラは適切な師の下で勉強するのでなければ手を出してはいけないとされる教えである。
- タナハと呼ばれる「書かれたトーラー」は聖伝の一部であり、「口伝のトーラー」と合わせてトーラーとされる。