地理学
内陸の微地形:河畔砂丘の形成と日本の主な分布

内陸を流れる河川の中・下流域に沿って形成される河畔砂丘について、その形成原因や日本国内における分布、代表的な事例を詳しく解説します。
📌 主なポイント
- ✓河畔砂丘は内陸の河川の中・下流域の流路に沿って形成される砂丘である。
- ✓日本のような湿潤気候の地域で内陸部に形成される砂丘は河畔砂丘のみである。
- ✓河原から吹き上げられた砂が蛇行河川の凸部風下側に堆積して形成される。
- ✓日本では木曽川、北上川、利根川などの流域に限定して存在する。
- ✓加須市にある会の川砂丘(志多見砂丘)は日本国内で最大級の規模を持つ。
河畔砂丘(かはんさきゅう)とは、内陸を流れる砂床河川の中流域および下流域の流路に沿って形成される砂丘地形である。一般的に砂丘は海岸部に形成されることが多いが、河畔砂丘は内陸の低地に位置する微高地として特異な存在をもつ。
形成原因
砂丘は風によって運ばれた砂が堆積して形成される地形である。世界的に見れば乾燥地域の砂床がある場所では内陸部の砂丘形成は珍しくないものの、日本のような湿潤な気候条件下で内陸部に砂丘が形成されるのは河畔砂丘に限られる。
河畔砂丘は、河原から風によって吹き上げられた砂が、蛇行する河川の凸部の風下側に堆積することによって形成される。そのため、砂を含んだ広範な河原が存在し、なおかつ一定の規模を持つ河川が流れる平坦な氾濫原という限定された条件が揃う必要がある。低地における微高地という点において、自然堤防と類似した側面を持つ。

日本における分布と現状
日本では、木曽川、北上川、利根川の流域およびその旧河道周辺にのみ存在する珍しい地形として知られている。しかし、河川の改修や堤防の拡幅工事などによって破壊されることが多く、本来の地形を良好に残しているものは少ない。
現存する主なものとしては、愛知県稲沢市の木曽川左岸に位置する祖父江砂丘や、群馬県から埼玉県にかけての利根川流域に広がる中川低地の河畔砂丘群が挙げられる。埼玉県加須市にある会の川砂丘(志多見砂丘)は、日本に残る河畔砂丘の中でも最大級の規模を誇り、1956年に加須市の名勝に指定されて保護されている。

よくある質問
河畔砂丘はどのような場所に形成されますか?
砂を含んだ広い河原を持つ大規模な河川の流れる平坦地(氾濫原)で、蛇行した河川の凸部の風下側に形成されます。
日本で河畔砂丘が見られる代表的な河川は何ですか?
木曽川、利根川、北上川などの流域やその旧河道周辺に存在しています。
会の川砂丘はどこにありますか?
埼玉県加須市に位置しており、日本に残る河畔砂丘の中では最大級の規模を持っています。
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自然堤防後背湿地砂丘氾濫原
参考文献
小泉武栄、青木賢人編『日本の地形レッドデータブック第1集』1994年。
小野寺優『埼玉の謎学』河出書房新社、2014年。
堀淳一、山口恵一郎、籠瀬良明ほか編『地図の風景 関東編2 埼玉・栃木・群馬』そしえて、1980年。
小野寺優『埼玉の謎学』河出書房新社、2014年。
堀淳一、山口恵一郎、籠瀬良明ほか編『地図の風景 関東編2 埼玉・栃木・群馬』そしえて、1980年。