地球科学
海膨の地形的特徴と海洋地質学における概要
海底から緩やかで滑らかに盛り上がった海底地形である海膨について、海嶺や海山との違い、地質学的特徴を解説します。
📌 主なポイント
- ✓海膨は海底から緩やかで滑らかに盛り上がった広い範囲の海底地形である。
- ✓海嶺と比較して両側斜面の勾配が緩やかであり、幅広い盛り上がりを持つ。
- ✓プレートテクトニクスにおける海洋底の拡大や熱水の湧出が見られる場合がある。
海膨(かいぼう、rise)とは、海底から緩やか、かつ滑らかに高く盛り上がった大規模な海底地形の一種である。
地形的特徴
海底から盛り上がっている地形としては、独立した高まりである海山が知られているが、海膨はそれよりもはるかに広い範囲の盛り上がりを指す。また、同じく広い範囲の海底隆起である海嶺(Ridge)と比較した場合、海嶺が両側斜面の勾配を急峻に伴うのに対し、海膨は立ち上がり部分の勾配が緩やかな点に特徴がある。さらに、海嶺を横切る方向の幅と比較して、より幅広い範囲がなだらかに盛り上がっている。
地質学的背景と海洋底拡大
プレートテクトニクス理論において、海膨は海洋底の拡大が発生している場所とされることがある。海嶺の付近で見られるような熱水の噴出が海膨でも確認される場合がある。一方で、大西洋中央海嶺の中央付近に見られるような特徴的な谷地形やトランスフォーム断層帯が海膨において発達していない理由としては、海嶺よりも拡大速度が緩やかであるためと考えられている。
主な海膨の例
世界中の海洋には、以下のような海膨や関連する海底プラトーが存在する。
- 北西太平洋海膨(シャツキー海台)
- チャタム海膨
- チリ海膨
- バミューダ海膨
- 東太平洋海膨
よくある質問
海膨と海嶺の違いは何ですか?
海嶺は両側斜面の勾配が急峻で中央に谷地形などが発達しやすいのに対し、海膨は海底からの立ち上がりの勾配が緩やかで、横方向の幅が広いという違いがあります。
海膨ではどのような地質学的活動が見られますか?
プレートテクトニクスにおける海洋底の拡大に関連している場合があり、場所によっては熱水の湧出が確認されることもあります。
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参考文献
跡部治「海底地名の決定」『地学雑誌』第84巻第1号、東京地学協会、41-45頁、2019年12月16日閲覧。