気象学
海上実況気象通報式と気象通報の仕組み
気象観測点や船舶からの気象状況を記号化して伝達する気象通報式の種類や、地上・海上・航空分野における実況気象通報について解説します。
📌 主なポイント
- ✓気象通報式は観測点の気象状況を記号化し、国際的・国内的に気象データを伝達するためのデータ形式である。
- ✓海上実況気象通報式(SHIP)は、基本的なフォーマットが地上実況気象通報式(SYNOP)と同一でありながら、観測地点の位置情報が付加されている。
- ✓航空分野ではMETARやSPECI、TAFなどの専門的な気象通報式が運航の安全のために用いられている。
気象通報式(きしょうつうほうしき)とは、各気象観測点における気象状況を一定の規則や記号化されたコードによって表現したデータである。世界各国や国際機関の間で気象データを円滑にやり取りするために利用されている。
気象通報式の種類
気象通報式には用途や観測対象に応じて多様な種類が存在する。主なものとして、陸上・海上・陸上移動を含む地上観測、ゾンデやウィンドプロファイラーなどを用いた高層観測のほか、航空機観測、衛星観測、海洋観測、放射能観測などが挙げられる。また、格子点資料(GPV)や月平均気候資料、地震観測資料(SEISMO)、バイナリー資料(GRIBやBUFER)、要素配列文字情報のCREXなども含まれる。
国際気象通報式と主なフォーマット
国際気象通報式は、世界気象機関(WMO)をはじめ、国際民間航空機関(ICAO)、国際海事機関(IMO)などが定めるコードに基づいて運用されている。気象情報のほか、原子力事故に関する放射能関連の情報を通知する電文も含まれる。
地上実況気象通報式 (SYNOP) と海上実況気象通報式 (SHIP)
地上実況気象通報式(SYNOP)は、地上の実況を報告する電文形式である。これに対し、海上実況気象通報式(SHIP)は、海上で船舶が行う気象観測の結果を通報するものであり、基本的なフォーマットはSYNOPと同一であるが、観測地点の位置情報が付加されている特徴を持つ。
航空気象通報式
航空分野では、各飛行場における観測状況や予報をデータ化するために専用の通報式が用いられる。
- METAR / SPECI: 定時飛行場実況気象通報式(METAR)および特別飛行場実況気象通報式(SPECI)は、航空機の離着陸等に不可欠な飛行場の現況を報告するものである。
- TAF: 運航用飛行場予報気象通報式であり、国際線を前提とした飛行場相互間の予報交換に用いられる。有効期間は地域により異なるが、最大30時間まで拡張されるなどの改定が行われてきた。
- TREND: METAR報に付加して通報される2時間程度の短期的な着陸用飛行場予報である。
- VOLMET: 飛行中の航空機の安全確保を目的として、主要空港の定時飛行場実況や予報、空域悪天情報(SIGMET)を無線で放送する通報式である。
- SCAN: 日本国内で、委託観測を行っている便数の少ない空港などで使用される国内独自の観測所実況気象通報式である。
よくある質問
気象通報式とは何ですか?
観測点の気象状況を記号化・コード化して表現したデータであり、国内外の気象機関や関係組織間で気象情報をやり取りするために利用されます。
地上実況気象通報式(SYNOP)と海上実況気象通報式(SHIP)の違いは何ですか?
基本的なフォーマットやデータ構造は同一ですが、海上実況気象通報式(SHIP)には観測地点の位置情報が付加されている点が異なります。
METARとはどのようなものですか?
定時飛行場実況気象通報式のことであり、航空分野の利用を主眼として各飛行場の定時の気象現況を報告するために用いられます。
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参考文献
- 2010年10月21日00UTCより適用される AIP-Japan 2010年9月23日付