食文化
かき氷の歴史と文化

日本の夏の風物詩である「かき氷」の歴史、製氷技術の変遷、氷旗の由来、そして世界各地の類似する氷菓について解説します。
📌 主なポイント
- ✓日本におけるかき氷の歴史は平安時代にまで遡り、当時は特権階級の食べ物であった。
- ✓「氷」と書かれた氷旗は、明治時代に衛生検査の合格証として掲示が義務付けられたのが始まりである。
- ✓1887年に氷削機が発明されたことで、かき氷の大衆化が加速した。
- ✓日本かき氷協会は、7月25日を「かき氷の日」と制定している。
かき氷(かきごおり)は、氷を細かく削り、シロップや甘味をかけて食べる氷菓です。日本では古くから夏の涼をとるための食べ物として親しまれ、現在では縁日や祭礼に欠かせない夏の風物詩となっています。
歴史
日本におけるかき氷の記録は平安時代に遡ります。清少納言の『枕草子』には、金属製の器に削った氷を入れ、甘葛(あまづら)という植物由来の甘味料をかけた「削り氷(けずりひ)」が、上品なものとして記述されています。当時は製氷技術が存在せず、冬に採取した氷を氷室(ひむろ)で保存する必要があったため、極めて貴重な特権階級の食べ物でした。
明治時代に入ると、製氷技術の向上と氷の流通が広まり、一般庶民にも普及しました。1869年(明治2年)には横浜の馬車道で氷水店が開業し、1887年(明治20年)には村上半三郎が氷削機を発明したことで、かき氷は急速に大衆化しました。

氷旗の由来
かき氷を販売する店でよく見かける「氷」と書かれた旗は「氷旗」と呼ばれます。これは1878年(明治11年)に内務省が公布した「氷製造人並販売人取締規則」に基づき、衛生検査に合格した氷であることを示すために掲示が義務付けられた許可証が起源となっています。

製氷と削氷の技術
かつては鉋(かんな)で削る方法が主流でしたが、現代では専用の氷削機が用いられます。家庭用ではキューブアイスを使用するタイプが一般的ですが、業務用ではブロックアイスを削ることで、よりきめ細やかな食感を実現しています。

世界のかき氷
かき氷のような氷菓は世界各地に存在します。台湾では「剉冰(ツワピン)」と呼ばれ、果物や豆類などのトッピングを豊富に乗せるスタイルが人気です。また、アメリカ合衆国では「シェイブアイス(Shaved ice)」や「スノーコーン(Snow cone)」として親しまれています。



よくある質問
かき氷の日はいつですか?
7月25日です。かき氷の別名である「夏氷(なつごおり)」の語呂合わせと、1933年のこの日に当時の日本最高気温が記録されたことに由来します。
氷旗の由来は何ですか?
明治時代に衛生的な氷の販売を管理するために内務省が定めた規則に基づき、検査合格証として掲示されたのが始まりです。
かき氷を食べると頭が痛くなるのはなぜですか?
急激に冷たいものが喉を通ることで、神経が刺激され、関連痛として頭部に痛みが生じる現象です。一般に「アイスクリーム頭痛」と呼ばれます。
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参考文献
- 三省堂『新明解国語辞典』第6版
- 水資源機構『氷削機(ひょうさくき)』
- 日本経済新聞「『あてなる』あまづら、幻の味 植物から再現」(2020年9月22日)
- 毎日新聞「34度超え かき氷を愛す/VSアイス 気温と関係 3.3万人調査」(2022年9月6日)