気象学・気候学

寒帯の気候特性と地理的分布

寒帯の気候特性と地理的分布
気候帯の一つである寒帯について、ケッペンの気候区分に基づくツンドラ気候や氷雪気候の特徴、分布地域、産業活動などを解説します。

📌 主なポイント

  • 寒帯は最暖月平均気温が10度未満の地域として定義される。
  • ケッペン気候区分では記号「E」で表される。
  • 寒帯はツンドラ気候(ET)と氷雪気候(EF)に分類される。
  • 両地域ともに樹木の生育が基本的に不可能である。

寒帯(かんたい)とは、気候帯の一種であり、最暖月平均気温が10度未満の地域を指す。この気候帯においては、降水量の多寡に関わらず樹木の生育が基本的に不可能である。

気候区分の表
気候区分の表

気候区分における位置づけ

ケッペン気候区分においては、記号「E」で表され、低緯度から数えて5番目、すなわち最も高緯度に位置することを示している。他の気候区分体系では、フローン=クプファーの気候区分において氷雪気候のみを寒帯気候帯(記号:EE)とする分類が存在するほか、アリソフの気候区分では極気団地帯に対応する。

気候区の細分

寒帯は、気温の条件によってさらにツンドラ気候(ET)と氷雪気候(EF)の2つに分けられる。

  • ツンドラ気候(ET):最暖月平均気温が0度以上10度未満の地域である。コケ植物などの限られた植物が生育可能である。
  • 氷雪気候(EF):最暖月平均気温が0度未満の地域である。植物の生育は基本的に不可能である。

なお、いずれの気候区においても、最寒月平均気温や降水量に関する条件は設定されていない。記号のTおよびFは、それぞれツンドラ(Tundra)と氷雪のドイツ語表記(Froste)の頭文字に由来する。

地理的分布

ツンドラ気候は、主に北アメリカ大陸やユーラシア大陸の北部、アイスランド北部、スヴァールバル諸島などに分布する。また、南極半島やチリ最南部、ケルゲレン諸島などの南半球の高緯度地域にも見られる。一方、氷雪気候は両極域に限定されており、南極大陸の大部分やグリーンランド内陸部の大半がこれに該当する。

なお、寒帯は高山帯においても認められ、標高が高いために気温が低い地域では高山気候帯(記号:H)として区別されることがある。

産業と人間活動

寒帯の地域は一般に農業には適しておらず、主な産業としてはトナカイの遊牧、狩猟、海洋漁業、および鉱業が挙げられる。鉱物資源としては、グリーンランドの金やモリブデン、スウェーデン中・北部の鉄鉱石、アラスカの石油などが知られている。

よくある質問

寒帯の定義は何ですか?
最暖月平均気温が10度未満の気候帯です。
寒帯はどのような気候区に分けられますか?
最暖月平均気温が0度以上10度未満のツンドラ気候(ET)と、0度未満の氷雪気候(EF)に分けられます。
寒帯での農業は可能ですか?
農業には基本的にまったく適していません。主な産業はトナカイの遊牧や狩猟、漁業、鉱業です。

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参考文献

  • 矢澤大二『気候地域論考―その思潮と展開―』古今書院、1989年11月20日。