法律
日本における活動火山対策特別措置法の概要と歴史的背景

火山噴火に対する防災、避難施設の整備、降灰除去などを規定する日本の法律「活動火山対策特別措置法」の制定経緯や法改正について解説します。
📌 主なポイント
- ✓活動火山対策特別措置法は1973年7月に制定・施行された日本の法律である。
- ✓1972年の桜島南岳の噴火による降灰や噴石の被害が契機となった。
- ✓2015年の法改正により、登山者の避難に関する努力義務や周辺施設の避難確保計画の作成が規定された。
- ✓2023年の法改正により、国に「火山調査研究推進本部」が設置され、8月26日が「火山防災の日」に制定された。
活動火山対策特別措置法(かつどうかざんたいさくとくべつそちほう、昭和48年7月24日法律第61号)は、火山噴火に対応した避難施設および防災営農施設等の整備、火山灰の除去などに関する日本の法律である。一般には「活火山法」と呼ばれる。

制定当時の題名は「活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律」であったが、昭和53年の法改正によって現在の題名に変更された。1972年に発生した鹿児島県の桜島南岳の噴火による大量の降灰や噴石による被害が契機となり、1973年7月13日に成立し、同月24日に公布・施行された。
















法律の目的と主な規定
火山の爆発その他の火山現象により著しい被害を受ける地域を対象として、活動火山対策の総合的な推進に関する基本指針の策定や、警戒避難体制の整備を定めている。内閣総理大臣が基本指針を定め、人的災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき地域を「火山災害警戒地域」に指定する仕組みとなっている。
また、火山災害警戒地域ごとに都道府県及び市町村による「火山防災協議会」の設置が義務付けられている。
近年の主な法改正
- 2015年(平成27年)の改正:2014年の御嶽山噴火を受けて同年7月に施行された。登山者に対して火山の噴火時に円滑・迅速に避難するための手段を講じる努力義務が課されたほか、火山周辺の一部施設における避難確保計画の作成等が義務付けられた。
- 2023年(令和5年)の改正:国に「火山調査研究推進本部」を設置し、火山の観測や調査の計画策定、研究を一元的に進めることが盛り込まれた。また、国民の間に広く火山防災の関心を深める目的で、8月26日が「火山防災の日」と制定された。
火山災害警戒地域
活動火山対策特別措置法第3条に基づき、内閣総理大臣によって指定される「火山災害警戒地域」には多数の火山が含まれており、指定された地域内の都道府県および市町村において具体的な防災対策や協議会を通じた連携が進められている。
よくある質問
活動火山対策特別措置法が制定されたきっかけは何ですか?
1972年に発生した鹿児島県の桜島南岳の噴火による大量の降灰や噴石による被害が契機となり制定されました。
2015年の法改正ではどのような点が変更されましたか?
登山者に対して火山の噴火時に円滑・迅速に避難するための手段を講じる努力義務が課され、火山周辺の一部施設には避難確保計画の作成等が義務付けられました。
8月26日が「火山防災の日」に制定されたのはいつの法改正ですか?
2023年(令和5年)の法改正により制定されました。
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参考文献
- 伊藤順一, 2015, 『安全工学』54巻5号, 351頁.
- 石原和弘, 2013, 『砂防学会誌』65巻6号, 1頁.
- 衆議院. “法律第二9号(昭五三・四・二六)”.
- 内閣府. “火山災害警戒地域”.