痙攣発作の医学的特徴と臨床管理に関する解説

📌 主なポイント
- ✓痙攣は筋肉が不随意かつ激しく収縮する症候名であり、病名であるてんかんとは区別される。
- ✓小児の痙攣では熱性痙攣が最多であり、成人では年齢層によって特発性てんかんや脳血管障害が原因となることが多い。
- ✓新規に痙攣を発症した患者の診断においては、低血糖の除外をはじめとする全身性疾患の鑑別が不可欠である。
痙攣(けいれん、英: convulsion)とは、不随意に筋肉が激しく収縮することによって起こる発作性の症候です。痙攣のパターンは多種多様であり、大きく全身性の場合と身体の一部分である場合とに分類されます。痙攣を新規に発症した場合には、原因疾患の特定と適切な処置を行うために医療機関を受診することが極めて重要です。
疫学
小児における痙攣の原因としては熱性痙攣が最多であり、特に乳幼児において発熱に引き続いて発生することがしばしば見られます。熱性痙攣は生後6か月から5歳頃にかけて多く、そのほとんどが短時間で自然に消失する発作です。成人においては、60歳頃まで特発性てんかんが最多となりますが、それ以降の年齢層では脳血管障害に起因する痙攣や脳腫瘍の頻度が増加する傾向にあります。
痙攣の概念と鑑別
痙攣は全身または一部の筋肉の不随意かつ発作的な収縮を示す「症候名」であり、「病名」であるてんかんとは区別されます。てんかんの本態は脳波の異常であり、必ずしも痙攣を伴うとは限りません。例えば、欠神発作は非痙攣性ですが脳波異常を伴うてんかんの一種です。
臨床現場において鑑別が必要となる重要な要素に「失神」があります。失神の主体は筋脱力であるのに対し、痙攣は不随意な筋肉の収縮を伴います。また、激しい筋肉の収縮によって嫌気性呼吸が起こり代謝性アシドーシスが生じることや、失禁・失便、舌咬傷、発作後の意識障害の持続などは、失神よりも痙攣を強く疑うべき所見です。
主な原因疾患
新規発症した痙攣の原因検索においては、てんかんによるものか、その他の全身性疾患に起因するものかを鑑別することが重要です。特に初発の患者においては、低血糖を速やかに否定することが鉄則とされています。
- 特発性てんかん
- 脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)
- 中枢神経感染症(脳炎、髄膜炎など)
- 脳腫瘍
- 頭部外傷
- 代謝異常(低血糖、電解質代謝異常など)
痙攣発作の分類
大脳ニューロンの過剰放電に由来する急激かつ不随意性の筋収縮としての痙攣は、大きく単純部分発作、複雑部分発作、全般発作に分けられます。部分発作では異常放電が生じる大脳皮質の機能局在に応じた症状が現れ、全般発作では広範な脳障害を伴って意識障害や両側性の強直間代性痙攣を生じることが特徴です。
臨床マネジメントと救急処置
痙攣発作の現場に遭遇した際、まずは痙攣が持続しているか否かを確認します。数分以上持続して停止しない場合は低酸素脳症のリスクがあるため、速やかに気道確保や酸素投与などの救命処置を行います。必要に応じて抗痙攣薬の投与が行われ、発作が停止した後は速やかに原因検索および外傷の有無の確認のための精密検査が実施されます。
よくある質問
痙攣とてんかんの違いは何ですか?
痙攣と失神はどのように見分けますか?
初発の痙攣患者に対して最初に行うべき検査は何ですか?
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参考文献
- Neuroendocrinology. 1989 Jan;49(1):33-9. PMID 2716948
- Neurology. 2005 Sep 13;65(5):668-75. PMID 16157897
- Neurology. 2006 Aug 8;67(3):544-5. PMID 16894135
- Emergency Medicine Clinical Essentials p858 ISBN 9781437735482