科学技術
物理量計測における各種測定機器の一覧と分類

物理学、工学、品質保証などの分野で用いられる様々な物理量の計測機器を、時間、エネルギー、幾何学、力学、電気、熱力学などのカテゴリ別に分類して紹介します。
📌 主なポイント
- ✓計測とは、実世界の物体や事象から物理量を取得し、確立された基準単位と比較する活動である。
- ✓すべての計測機器は、測定対象や原理に応じた様々な程度の不確かさを持っている。
- ✓極めて高い時間精度が求められる場においては、原子時計や光格子時計が利用されている。
物理学、品質保証、工学などの分野において、計測とは実世界の物体や事象から物理量を取得し、基準となる単位と比較する活動です。計測には確立された単位系が用いられ、調査対象の数値を明確にするために適切な計測機器や測定方法が選択されます。すべての計測機器は、物差しやストップウォッチのような簡便な装置から、電子顕微鏡や粒子加速器に至るまで、様々な程度の不確かさを伴っています。
時間および周波数の計測
時間を計測する装置として、歴史的な日時計から始まり、現代では時計や腕時計が広く普及しています。さらに、極めて高い精度が要求される科学的・技術的場面においては原子時計が利用されています。日本においては東京大学などにより「光格子時計」の研究開発が進められており、従来の原子時計をさらに超える高い精度が実現されています。
エネルギーおよび仕事率の計測
エネルギーや仕事率を定量的に把握するための機器には、以下のようなものが挙げられます。
- 電力量計:電気エネルギーをキロワット時(kWh)単位で直接計測する機器です。
- ガスメーター:消費されたガスの体積を計測し、単位体積あたりの燃焼エネルギーを乗じることでエネルギー量への換算を可能にする機器です。
幾何学的計測
長さ、面積、体積、角度などの幾何学的特徴を把握するための計測機器が存在します。
- 長さ:物差しや巻き尺などが用いられます。
- 面積:プラニメータなどが面積の比較や計測に用いられます。
- 体積:液体用として計量カップ、メスシリンダー、ピペット、コリオリ式質量流量計などが利用されます。
- 角度:分度器、測角羅盤、ゴニオメーター、六分儀、トランシットなどが角度や三次元空間における向きの測定に活用されます。
力学的な計測
古典力学や連続体力学の分野における基本的物理量を測定するための装置です。
- 質量・重量:秤や電子天秤などが用いられます。
- 速さ・速度:速度計、対気速度計、LIDAR、ドップラーレーダーを利用したスピードガンなどが該当します。
- 圧力:マノメーター、気圧計、ピトー管などが圧力や風速の測定に用いられます。
- トルク:トルクレンチなどが力のモーメントを測定するために使われます。
電気および電子の計測
電荷、電流、電圧、電気抵抗などの電気的特性を評価するための計測機器です。
- 電流:電流計や検流計が用いられます。
- 電圧:電圧計や、電圧の時間変化を視覚的に捉えるオシロスコープが利用されます。
- 電気抵抗:絶縁抵抗計やホイートストンブリッジが用いられます。
- 磁場:方位磁針、ホール素子、プロトン磁力計、SQUIDなどが磁場の測定に活用されます。
- 複合測定器:複数の電気量を同時に測定できる回路計(テスター)やLCRメータなどが広く普及しています。
熱力学的な計測
温度や熱エネルギー、エントロピーなど熱力学的性質を観測するための機器です。
- 温度:液体温度計(アルコール温度計や水銀温度計など)、測温抵抗体、熱電対、サーミスタ、接触せずに測定可能なパイロメーターなどが用いられます。
- 熱量:ボンベ熱量計や定圧熱量計、示差走査熱量測定(DSC)などの装置が熱エネルギーの出入りを観測するために利用されます。
よくある質問
計測機器とは何ですか?
物理学、品質保証、工学などの分野において、実世界の物体や事象から物理量を取得し、数値化して比較するために用いられる装置の総称です。
極めて高い精度の時間計測にはどのような機器が使われますか?
非常に高い精度が求められる場面では原子時計が利用され、さらに高度な精度を持つ光格子時計の開発も進められています。
電気エネルギーを直接計測する機器は何ですか?
電気エネルギーをキロワット時で直接計測できる機器として電力量計があります。
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参考文献
- 東京大学. “時計の概念を巻き直す「光格子時計」正確な時計の先に”. 2022年12月27日閲覧.