物理学・単位
ケルビン:熱力学温度のSI基本単位と国際単位系における再定義

熱力学温度(絶対温度)の単位であるケルビン(K)の定義、歴史、2019年のSI基本単位改定、および色温度や雑音温度への応用について解説します。
📌 主なポイント
- ✓ケルビンは国際単位系 (SI) における7個のSI基本単位の一つであり、熱力学温度を表す。
- ✓2019年5月の国際単位系(SI)改定により、ボルツマン定数を固定値とすることで定義されている。
- ✓単位の名称は、絶対温度目盛りの必要性を説いたイギリスの物理学者ケルビン卿ウィリアム・トムソンに由来する。
ケルビン(英語: kelvin, 記号: K)は、熱力学温度(絶対温度)を表す国際単位系 (SI) の7個のSI基本単位の一つである。
定義と2019年の改定
2019年5月20日以降、ケルビンはボルツマン定数 $k$ を正確に $1.380649 imes 10^{-23} ext{ J/K}$ と定めることによって定義されている。これにより、特定の物質や水の同位体組成に依存しない、普遍的な物理定数に基づく定義となった。
絶対零度は 0 K であり、セルシウス度(摂氏)はケルビンの数値から 273.15 を減じたものとして定義されている。
歴史的背景
1848年、イギリスの物理学者であるケルビン卿ウィリアム・トムソンが、論文「絶対温度目盛りについて」において絶対零度をゼロ点とする温度目盛りの必要性を提唱した。名称は彼が研究生活を送ったグラスゴーのケルビン川にちなむ。その後、1954年の第10回国際度量衡総会 (CGPM) で水の三重点を基準とする定義が採択され、1967年の第13回CGPMで単位名称が「ケルビン度」から「ケルビン」へと改められた。
熱力学温度以外の主な用途
ケルビンは温度の測定だけでなく、他の物理量の単位としても広く用いられている。
- 色温度:光源が発する光の色合いを数値化したものであり、約4000 K以下は赤みがかった暖色、約7500 K以上は青みがかった寒色として表現される。
- 雑音温度:電子工学や通信分野において、回路内部の熱雑音(ジョンソン–ナイキスト・ノイズ)の大きさを表す指標として使われる。
よくある質問
ケルビンとセルシウス度の違いは何ですか?
ケルビンは絶対零度を基準とする熱力学温度の単位であり、セルシウス度は水の氷点を基準に近い形で定めた温度目盛りです。温度の間隔は 1 K = 1 °C ですが、数値上はケルビンの値から 273.15 を引いたものがセルシウス度となります。
2019年の改定でケルビンの定義はどう変わりましたか?
従来は水の三重点の熱力学温度を基準にしていましたが、2019年5月以降はボルツマン定数を正確に 1.380649 × 10^-23 J/K と定める方式に変更されました。
単位記号の正しい書き方は何ですか?
人名に由来するため大文字の「K」を用います。数値と単位記号の間には空白を入れ、「°K」と表記するのは誤りです。
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セルシウス度国際単位系ボルツマン定数絶対零度色温度熱力学温度
参考文献
- 国際単位系(SI)第 9 版(2019)日本語版、産業技術総合研究所、計量標準総合センター、2020年3月。
- Lord Kelvin, "On an Absolute Thermometric Scale", Philosophical Magazine, October 1848.